毎日の通勤や買い物、お子様の送迎などで活躍する電動自転車。
坂道も楽に登れて非常に便利ですが、ある日突然ペダルを漕いだ瞬間に「ガクン」という衝撃が走ったり、異音がしたりして、不安に感じた経験はありませんか。
その不快な感覚は、単なる乗り心地の問題だけでなく、電動自転車からの重要なSOSサインかもしれません。
放置してしまうと、思わぬ事故につながる危険性も潜んでいます。
この記事では、電動自転車を漕いだ時に「ガクン」となる様々な症状の原因から、自分でできる対処法、専門家へ依頼する際の費用や注意点まで、誰にでも分かりやすく、そして詳しく解説していきます。
あなたの愛車が発するサインを正しく理解し、安全で快適な自転車ライフを取り戻すための一助となれば幸いです。
電動自転車を漕ぐと「ガクン」となる時の対処法は?

自転車ライフナビ・イメージ
電動自転車でペダルを漕いだ際に「ガクン」という不快な衝撃や異音が発生する場合、その原因は一つではありません。
症状の出方によって、考えられる原因や対処法は異なります。
まずは、どのような時に「ガクン」となるのか、ご自身の自転車の症状と照らし合わせながら、その原因を探っていきましょう。
ここでは、代表的な症状とその背後にあるメカニズムを詳しく解説していきます。
原因を正しく理解することが、適切な対処への第一歩です。
漕ぐたびにガタガタするのはなぜ?
ペダルを漕ぐたびに、チェーンのあたりから「ガタガタ」「ガチャガチャ」といった振動や音が連続して発生する場合、最も考えられる主な原因は「チェーンの緩み」と「スプロケットの摩耗」です。
長年乗り続けることで、これらの部品は少しずつ劣化し、不具合を引き起こします。
チェーンは金属でできていますが、使用に伴ってピンやプレートが摩耗し、全体として伸びてしまいます。
チェーンが緩むと、ペダルを漕ぐ力がかかった際に、スプロケット(後輪についている歯車)の歯に正しく噛み合わなくなります。
一瞬、チェーンが歯の上を滑ってから、次の歯に引っかかるような動きを繰り返すため、「ガタガタ」という振動や異音が発生するのです。
特に、坂道などで強くペダルを踏み込んだ際に、症状が顕著に現れることが多いでしょう。
また、チェーンだけでなく、力を受け止める側のスプロケットも摩耗します。
スプロケットの歯がすり減って鋭く尖ったような形になると、伸びたチェーンを適切に保持できなくなり、チェーンが歯の上を滑る「歯飛び(歯跳ね)」という現象が起こりやすくなります。
この「歯飛び」が、「ガクン」という衝撃や「ガタガタ」という振動の直接的な原因となっているケースは非常に多いです。
これらは経年劣化によるものですので、ある程度乗り込んだ電動自転車では、誰にでも起こりうる症状と言えます。
ペダルがスカスカに空回りする原因は?
ペダルを漕いでいるのに、急に手ごたえがなくなり「スカッ」と空回りするような感覚に陥ることがあります。
この症状は、前に進むための力が全く後輪に伝わっていない状態で、非常に危険です。
この空回りの原因として最も疑われるのが、後輪のハブ(車軸の中心部分)に内蔵されている「ラチェット機構」の不具合です。
ラチェット機構とは、ペダルを前に漕いだ時だけ力が伝わり、後ろに回したり漕ぐのをやめたりした時には力が伝わらないようにするための重要な部品です。
この機構内部には「爪(つめ)」があり、漕ぐ力をかけると爪がギアに引っかかり車輪を回転させます。
しかし、この爪が摩耗してしまったり、内部のグリスが劣化して固着したり、ゴミが詰まったりすると、爪が正常に作動しなくなります。
その結果、ペダルを漕いでも爪がギアに引っかからず、力が伝わらずに「スカスカ」と空回りしてしまうのです。
この症状は、内部の複雑な機構が原因であるため、残念ながら自分で修理するのは極めて困難です。
放置すると、坂道で突然空回りしてバランスを崩したり、交差点で発進しようとして進めなかったりと、重大な事故につながる可能性があります。
ペダルの空回りが一度でも発生した場合は、速やかに専門店での点検・修理を依頼してください。
チェーンが引っかかる感じがするのはなぜ?
ペダルを漕ぐと、スムーズに回転せず、どこかで「ガリガリ」「ゴリゴリ」と何かが引っかかるような抵抗を感じる場合があります。
この不快な感触の原因は、いくつか考えられます。
一つ目は、「チェーンの固着」です。
雨天走行後や長期間屋外に駐輪していると、チェーンのコマ(小さな部品の連結部分)が錆びてしまうことがあります。
錆によってコマ同士の動きがスムーズでなくなると、スプロケットの歯を通過する際にうまく曲がらず、引っかかりや抵抗感として現れます。
二つ目は、「チェーンの変形」です。
転倒した際や、どこかに自転車をぶつけてしまった際に、チェーンの一部が歪んでしまうことがあります。
歪んだコマがスプロケットやディレイラー(変速機)を通過する際に、正常な動きができずに引っかかりを生じさせます。
三つ目は、「ディレイラー(変速機)の調整不良」です。
外装変速機付きのモデルの場合、ディレイラーがチェーンを適切なギアの位置へ誘導する役割を担っています。
このディレイラーの位置が少しでもずれていると、チェーンがまっすぐに動かず、隣のギアに擦れてしまったり、スムーズに変速機のプーリー(小さな歯車)を通過できなかったりして、引っかかるような感触や異音が発生することがあります。
これらの症状は、乗り心地を悪化させるだけでなく、チェーン外れや部品のさらなる摩耗を促進させる原因にもなります。
ギアチェンジでガクンとなるのは故障?
電動自転車のギアチェンジ(変速)を行ったタイミングで、「ガチャン!」「バキン!」といった大きな音とともに、車体全体に「ガクン」という強い衝撃が走ることがあります。
ある程度の音や衝撃は、チェーンが別の大きさのギアに移動する際に発生するため、構造上やむを得ない部分もあります。
特に、ペダルに強く力をかけたまま変速操作を行うと、衝撃は大きくなりがちです。
しかし、毎回のようにひどい衝撃があったり、以前よりも明らかに音が大きくなったりした場合は、何らかの不具合を抱えているサインと考えられます。
主な原因としては、「ディレイラー(変速機)の調整のずれ」が挙げられます。
ディレイラーがスプロケットに対して正しい位置にないと、チェーンの移動がスムーズに行われず、無理やり次のギアに叩きつけられるような形になり、大きな音と衝撃が発生します。
また、手元のシフター(変速レバー)とディレイラーをつなぐ「シフトワイヤー」の劣化も原因となります。
ワイヤーが経年劣化で伸びてしまったり、内部で錆びて動きが悪くなったりすると、シフターで操作した量が正確にディレイラーに伝わらなくなります。
これにより、変速が中途半端な位置で止まってしまい、走行中の振動で一気にギアが移動することで「ガクン」という衝撃が生まれるのです。
さらに、チェーンやスプロケット自体の摩耗が進んでいる場合も、変速時の噛み合わせが悪くなり、衝撃の原因となります。
正常な変速は、漕ぐ力を少し抜いたタイミングで行うのがコツですが、それでも症状が改善しない場合は点検が必要です。
走行中にガタンガタンと異音がする原因は?
ペダルを漕ぐと、特定のタイミングだけでなく、走行中に継続して「ガタンガタン」「コトコト」といった異音が発生することもあります。
この場合、原因となっている箇所は多岐にわたる可能性があり、特定が難しいことも少なくありません。
考えられる主な原因箇所を以下に挙げます。
発生源の可能性 | 考えられる不具合 |
チェーン・ギア周り | チェーンの緩みすぎ・張りすぎ、チェーンの固着、チェーン外れ |
ペダル・クランク周り | ペダルやクランクアームの取り付けネジの緩み、内部ベアリングの劣化 |
車輪・ハブ周り | ハブナットの緩み、ハブ内部のベアリングの劣化や破損 |
その他 | 泥除けやカゴ、スタンドなどの取り付けネジの緩みによる接触や振動 |
チェーンが緩みすぎていると、走行中の振動でチェーンガードやフレームに接触し、「ガタンガタン」という音が出ることがあります。
ペダルや、ペダルが取り付けられているクランクアームの根元のネジが緩んでいると、漕ぐたびに「カタン、カタン」という周期的な音が発生します。
また、車輪の中心にあるハブ内部のベアリングが劣化・破損すると、「ゴー」「ゴリゴリ」といった継続的な異音につながります。
意外な原因として、泥除けやカゴ、スタンドなどを固定しているネジが緩み、走行中の振動で他の部品と接触して音を立てているケースも少なくありません。
異音の種類や発生するタイミングに注意を払い、どこから音がしているのかを注意深く観察することが、原因究明の手がかりとなります。
ギヤ抜けが頻繁に起こるのはなぜ?
特定のギアで走行していると、ペダルを踏み込んだ瞬間に「ガクン」と力が抜け、勝手に別のギアに変わってしまう現象を「ギヤ抜け」と呼びます。
これは、チェーンが意図せず隣のスプロケットに移動してしまうことで起こります。
このギヤ抜けが頻繁に発生する最大の原因は、やはり「ディレイラー(変速機)の調整不良」です。
ディレイラーは、各ギアの真下に正確に位置することで、チェーンを安定させます。
しかし、この位置が少しでもずれていると、チェーンは不安定な状態でスプロケットの上に乗っていることになります。
そのため、ペダルを強く踏み込んだり、路面からの振動を受けたりした際に、チェーンが耐えきれずに隣のギアへと滑り落ちてしまうのです。
この調整のずれは、シフトワイヤーの伸びや劣化によって引き起こされることが大半です。
ワイヤーが伸びると、シフターが示すギアの位置と、実際のディレイラーの位置に誤差が生じ、ギヤ抜けが起こりやすい状態になります。
また、転倒などでディレイラーハンガー(ディレイラーをフレームに取り付けている金具)が曲がってしまった場合も、ディレイラーの角度がずれてしまい、ギヤ抜けの直接的な原因となります。
ギヤ抜けは、予期せぬタイミングで急に推進力が失われるため、交通量の多い道路や坂道では特に危険です。
症状が頻発するようであれば、早急な対処が必要です。
電動自転車を漕ぐと「ガクン」となる時の対処法と費用は?

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ここまで、「ガクン」という症状の様々な原因について見てきました。
原因が異なれば、もちろんその対処法も変わってきます。
中には自分で応急処置ができるケースもありますが、多くの場合、専門的な知識や工具が必要となり、安全のためには専門店へ依頼するのが最善の選択です。
このセクションでは、具体的な対処法と、それに伴う費用の目安について詳しく解説していきます。
ご自身の状況に合わせて、最適な対処法を選びましょう。
自分でできる応急処置はある?
専門的な修理が必要な場合が多いとはいえ、いくつかの症状については、自分でできる応急処置が存在します。
ただし、これらはあくまで一時的な対策であり、根本的な解決ではないことを理解しておくことが重要です。
以下に、代表的な応急処置をいくつか紹介します。
一つ目は、「外れたチェーンを元に戻す」ことです。
もしチェーンが完全に外れてしまった場合は、比較的簡単に自分で直すことができます。
まず、後輪側のディレイラー(変速機)のアームを前方に押し込むようにして、チェーンの張りを緩めます。
次に、緩んだチェーンを前後の歯車に正しくかけ直し、ゆっくりとペダルを回してチェーンがスムーズに動くことを確認します。
手を汚さないように、作業用の手袋や、なければビニール袋などを使うと良いでしょう。
二つ目は、「各部のネジの増し締め」です。
ペダルやクランク、泥除け、スタンドなどから「ガタガタ」「コトコト」と音がする場合、取り付けネジが緩んでいるだけの可能性があります。
ご家庭にあるレンチやドライバーで、各部のネジが緩んでいないか確認し、もし緩んでいれば締め直してみてください。
ただし、締めすぎは部品の破損につながるため、力任せに締めないように注意が必要です。
三つ目は、「チェーンへの注油」です。
チェーンが錆びて動きが渋くなっている場合や、「キーキー」「ガリガリ」といった音がする場合は、自転車用のチェーンオイルを注油することで、一時的に症状が改善することがあります。
古い油や汚れを布で拭き取ってから、チェーンのコマ一つ一つに少量ずつ注油し、余分なオイルは拭き取るのがポイントです。
これらの応急処置で症状が改善したとしても、なぜそのような状態になったのか(チェーンが伸びている、部品が摩耗しているなど)という根本的な原因は解決していません。
安全のため、後日改めて専門店で点検してもらうことを強くお勧めします。
チェーンの緩みは自分で調整できる?
漕ぐたびに「ガタガタ」する原因となるチェーンの緩みですが、自転車の種類によっては自分で調整することも可能です。
ただし、電動自転車の多くに採用されている「外装変速機」付きのモデルでは、基本的に利用者自身での張り調整は不要であり、できません。
外装変速機には、ディレイラーがチェーンテンショナー(張りを保つ装置)の役割を兼ねているため、常に適切な張りが保たれる設計になっています。
このタイプでチェーンが明らかに緩んでいる場合は、チェーン自体が寿命で伸びきっている可能性が高く、調整ではなく交換が必要となります。
一方、変速機がないシングルスピードのモデルや、ハブ内部で変速する「内装変速機」付きのモデルの場合、チェーンの張り調整が可能です。
調整の手順は以下の通りです。
- 後輪の車軸をフレームに固定している左右のハブナットを、レンチを使って少しだけ緩めます。完全に外す必要はありません。
- 後輪の後方、フレームの末端部分にある「チェーン引き(チェーンテンショナー)」という小さなナットを締めていきます。これを締めると、車軸が後方へ引っ張られ、チェーンが張られます。左右均等に少しずつ締め、車輪がフレームに対してまっすぐな状態を保つように注意します。
- チェーンの張り具合を確認します。チェーンの中央あたりを指で上下に動かし、たわみが1cm〜2cm程度になるのが適切な張りの目安です。張りすぎるとペダルが重くなり、部品の摩耗を早めてしまうので注意が必要です。
- 適切な張りになったら、最初に緩めたハブナットを左右均等にしっかりと締め直して完了です。
作業に自信がない場合や、必要な工具がない場合は、無理をせず専門店に依頼しましょう。
工賃は1,000円〜2,000円程度が一般的です。
「チェーン飛び」の簡単な直し方は?
ペダルを強く踏み込んだ時に「ガクン」と衝撃が走り、チェーンが歯車の上を滑る「チェーン飛び」。
この現象の直し方についてですが、残念ながら「簡単な直し方」というものは存在しません。
なぜなら、チェーン飛びが起こる根本的な原因が、部品の物理的な摩耗、つまり「チェーンの伸び」と「スプロケットの歯の摩耗」にあるからです。
すり減ってしまった金属部品を、調整や応急処置で元の状態に戻すことはできません。
したがって、「チェーン飛び」を根本的に直す唯一の方法は、摩耗した部品(チェーンやスプロケット)を新しいものに交換することです。
応急処置としてチェーンの清掃や注油を行うと、一時的に滑りが良くなり、症状が少しだけ緩和されることがあるかもしれません。
しかし、これは問題の先送りにしかならず、摩耗はさらに進行していきます。
摩耗が進んだ状態で乗り続けると、最終的にはチェーンが突然切れたり、ギアが完全に噛み合わなくなったりと、より深刻なトラブルにつながる恐れがあります。
「チェーン飛び」は、部品の寿命を知らせる重要なサインです。
この症状が現れたら、ごまかしながら乗り続けるのではなく、「部品交換の時期が来た」と判断し、速やかに専門店で修理を依頼することが最も安全で確実な対処法となります。
専門店に依頼するメリットは?
自分で修理することに不安を感じたり、症状の原因がはっきりしない場合は、迷わず自転車専門店に相談しましょう。
費用はかかりますが、それ以上に多くのメリットがあります。
プロに任せることの利点を以下にまとめました。
- 正確な原因究明
専門店のスタッフは、豊富な知識と経験、そして専用の工具を持っています。
「ガクン」という症状の裏にある本当の原因を、的確に診断してくれます。
自分では気づかなかったような、他の箇所の不具合を発見してくれることもあります。
- 適切な修理と安全性の確保
原因に対して最も適切な方法で、確実な修理を行ってくれます。
部品の交換や調整が正しく行われることで、自転車本来の性能が回復し、何よりも安全に走行できるようになります。
自己流の修理によるトラブルのリスクを避けることができます。
- 時間と手間の節約
自分で原因を調べ、工具を揃え、慣れない作業をするのには、多くの時間と手間がかかります。
専門店に任せれば、これらの負担から解放され、短時間で問題を解決できます。
- 総合的な点検とアドバイス
修理を依頼した箇所だけでなく、ブレーキの効き具合やタイヤの空気圧、その他各部の状態など、自転車全体の安全点検を併せて行ってくれることが多くあります。
また、今後のメンテナンス方法や、自転車を長持ちさせるための乗り方など、プロならではの有益なアドバイスをもらえることも大きなメリットです。
- 部品の取り寄せ
電動自転車のモデルによっては、特殊な部品が必要になる場合があります。
専門店であれば、適切な部品をスムーズに取り寄せ、交換してもらうことができます。
安全はお金には代えられません。
特に毎日乗る電動自転車だからこそ、定期的なプロによるメンテナンスは非常に重要です。
「歯飛び」の修理費用は?
「歯飛び」の修理は、前述の通り、原因となっている摩耗した部品の交換となります。
修理費用は、「部品代」と「交換工賃」の合計で決まります。
交換が必要になる主な部品は「チェーン」と「スプロケット(後輪のギア群)」で、多くの場合、これらは同時に交換することが推奨されます。
なぜなら、片方だけを新品に交換すると、新品の部品と摩耗した古い部品の噛み合わせが悪く、すぐに新品の部品まで摩耗させてしまう可能性があるからです。
一般的な修理費用の目安を以下に示します。
交換内容 | 部品代の目安 | 工賃の目安 | 合計費用の目安 |
チェーンのみの交換 | 2,000円 ~ 4,000円 | 1,500円 ~ 3,000円 | 3,500円 ~ 7,000円 |
スプロケットのみの交換 | 3,000円 ~ 6,000円 | 2,000円 ~ 4,000円 | 5,000円 ~ 10,000円 |
チェーンとスプロケットの同時交換 | 5,000円 ~ 10,000円 | 3,000円 ~ 5,000円 | 8,000円 ~ 15,000円 |
上記の費用は、あくまで一般的な目安であり、使用する部品のグレードや自転車のモデル、修理を依頼する店舗によって変動します。
また、電動自転車特有の注意点として、アシストユニット側(ペダルの根元)にあるドライブギアが摩耗している場合もあります。
この部分の交換は、モーターユニットの一部を分解する必要があるため、工賃が高額になる傾向があり、合計で20,000円以上かかるケースも珍しくありません。
正確な費用を知るためには、必ず修理を依頼する前に、店舗で見積もりを出してもらうことが重要です。
修理に出す前に確認すべきことは?
愛車をスムーズに、そして納得のいく形で修理してもらうために、専門店に持ち込む前にいくつか確認しておきたいポイントがあります。
事前の準備で、修理の依頼が円滑に進み、余計なトラブルを防ぐことができます。
- 症状を具体的に伝える準備をする
「なんだか調子が悪い」と漠然と伝えるよりも、「いつ」「どこで」「どのように」症状が出るのかを具体的に説明できると、原因の特定が早まります。
例:「3日ほど前から、坂道を登るときに一番重いギアでペダルを強く踏み込むと、後輪の方から『ガクン』という音がして、一瞬ペダルが軽くなる感じがします。」
このように、できるだけ詳しく状況をメモしておくと良いでしょう。
- 保証期間を確認する
自転車を購入してからまだ日が浅い場合、メーカーや販売店の保証期間内である可能性があります。
保証書を確認し、保証の対象となるかどうかをチェックしておきましょう。
保証対象であれば、無償または割引価格で修理を受けられる場合があります。
- 購入店か、他の専門店か
基本的には、その電動自転車を購入した店舗に持ち込むのが最もスムーズです。
自転車の購入履歴があるため話が早く、そのモデルの特性についても詳しい可能性が高いです。
もし引越しなどで購入店が遠い場合は、信頼できる近隣の自転車専門店を探しましょう。
- 修理費用の見積もりを依頼する
修理作業を始めてもらう前に、必ず「どの部品を交換する必要があり、費用は総額でいくらかかるのか」という見積もりを出してもらいましょう。
見積もり内容に納得した上で、正式に修理を依頼するのが基本です。
後から高額な請求をされて驚くといったトラブルを防ぐためにも、この確認は不可欠です。
- 修理にかかる日数と代車の有無を確認する
部品の在庫状況によっては、修理に数日かかる場合があります。
その間、通勤や送迎で自転車が必要な場合は、代車を借りることができるかどうかも併せて確認しておくと安心です。
これらの点を事前に確認しておくことで、安心して大切な電動自転車の修理を任せることができるでしょう。
まとめ:電動自転車を漕ぐと「ガクン」となる時の対処法は?

自転車ライフナビ・イメージ
この記事では、電動自転車を漕いだ際に「ガクン」という不快な症状が発生する原因と、その具体的な対処法について詳しく解説してきました。
漕ぐたびにガタガタする、ペダルが空回りする、ギアチェンジで衝撃が走るなど、様々な症状には、チェーンの緩みや伸び、スプロケットの摩耗、変速機の調整不良といった、はっきりとした原因が隠されています。
これらの症状は、単に乗り心地が悪いというだけでなく、部品の寿命や危険を知らせる重要なサインです。
特に、チェーンやギア周りの摩耗が原因である「歯飛び」や、力が全く伝わらなくなる「ペダルの空回り」は、放置すると走行中に突然コントロールを失うなど、重大な事故につながる可能性があり非常に危険です。
チェーンの外れを直したり、各部のネジを締め直したりといった簡単な応急処置は自分で行うことも可能ですが、多くの場合、根本的な解決にはなりません。
「ガクン」という症状を感じたら、最も安全で確実な対処法は、信頼できる自転車専門店に点検と修理を依頼することです。
プロによる正確な診断と適切な修理は、あなたの安全を守り、電動自転車本来の快適な走りを取り戻してくれます。
修理には数千円から一万円を超える費用がかかることもありますが、それは安全のための投資と考えるべきです。
日頃から異音や違和感に気を配り、定期的なメンテナンスを心がけることが、このような突然のトラブルを防ぎ、大切な電動自転車と長く付き合っていくための最善の方法と言えるでしょう。
この記事を参考に、あなたの電動自転車の不調が解消され、再び快適で安全なサイクルライフを送れることを願っています。