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自転車のブレーキが効かない!左右別の原因と解決策

ブレーキ
自転車ライフナビ・イメージ

自転車に乗っていて「あれ、ブレーキが効かない!」と感じたことはありませんか?特に、通勤や通学で毎日自転車を使っている方にとって、ブレーキの不調は非常に危険な問題です。右ブレーキが効かない、左ブレーキが効かないといった状況に直面した時、どうすれば良いのか途方に暮れてしまう方もいるかもしれません。

この記事では、自転車のブレーキが効かなくなった時にまず確認すべき点から、その主な原因、そして自分でできる簡単な点検・調整方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。さらに、専門家への依頼が必要なケースや、日頃のメンテナンスでトラブルを防ぐ方法もご紹介します。この記事を読めば、あなたの自転車のブレーキトラブルを解決し、安全に自転車に乗るための知識が身につくでしょう。

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自転車のブレーキ効かない時、まず確認すべきこと

ブレーキの効きが悪いと感じたら、焦らずにまずはいくつかの基本的な項目を確認しましょう。これらの確認は、トラブルの原因を特定し、適切な対処法を見つけるための第一歩となります。

左右どちらのブレーキが効かないかを確認

自転車のブレーキは、通常、前輪と後輪で独立して作動します。日本の一般的な自転車では、右手のレバーが後輪ブレーキ、左手のレバーが前輪ブレーキを操作します。どちらか一方のブレーキだけが効かないのか、それとも両方とも効きが悪いのかを明確にしましょう。

例えば、右ブレーキ(後輪)が効かない場合、後輪側のブレーキシステムに問題がある可能性が高いです。後輪ブレーキは、通常、リアキャリアの下や後輪のハブ付近に設置されており、ワイヤーでレバーと繋がっています。左ブレーキ(前輪)が効かない場合は、前輪側のブレーキシステム、すなわちフロントフォーク付近に設置されているブレーキ本体や、そこから伸びるワイヤーに原因があることが考えられます。どちらか一方のブレーキが完全に機能しない場合でも、もう一方のブレーキが使えれば、急な停止が必要な際に役立つことがあります。ただし、片方のブレーキだけに頼った走行は危険が伴うため、早急な対処が必要です。

レバーの引きしろ(遊び)は適切か

ブレーキレバーには、少しの「遊び」と呼ばれる隙間が正常な状態として存在します。この遊びが適切でない場合、ブレーキの効きに影響が出ることがあります。レバーを握り始めてから実際にブレーキが効き始めるまでの距離が適正かどうかを確認しましょう。

引きしろが多すぎる場合、つまりレバーを深く握り込まないとブレーキが効かない場合は、ブレーキワイヤーが伸びていたり、ワイヤーの固定が緩んでいる可能性があります。この状態では、指の力が伝わりにくくなり、緊急時に十分にブレーキをかけられない危険性があります。逆に、引きしろが少なすぎる場合、つまりレバーを少し握っただけでブレーキが効いてしまう場合は、ブレーキが常に少し効いている「引きずり」の状態になっている可能性があります。これは、走行抵抗が増えるだけでなく、ブレーキ部品の早期摩耗にも繋がります。指一本でレバーが軽く握れて、かつしっかりとブレーキが効く状態が理想的です。

異音や違和感はないか

ブレーキをかけた際に、「キーキー」という高い音や「ゴー」という擦れるような音、あるいは「ガリガリ」という引っかかるような異音がしないか耳を澄ましましょう。また、レバーを握った際に、いつもと違う感触や、特定の場所で引っかかりを感じるなどの違和感がないかも重要です。

異音は、ブレーキパッド(ブレーキシュー)の摩耗、ブレーキローターやリムへの油分・汚れの付着、またはブレーキ部品の緩みなどが原因で発生することがあります。特に、雨の日や濡れた路面を走行した後に異音が発生しやすい傾向がありますが、晴れた日でも異音がする場合は、何らかの異常を示している可能性が高いです。レバーの感触に違和感がある場合、ブレーキワイヤーの内部でサビが発生していたり、ワイヤーが断線寸前になっているなど、深刻なトラブルの前兆であることも考えられます。これらの異音や違和感は、ブレーキシステムのどこかに問題があるサインですので、見逃さずに注意深く確認しましょう。

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ブレーキが効かなくなる主な原因と症状

ブレーキの効きが悪くなるのには、いくつかの一般的な原因があります。それぞれの原因がどのような症状を引き起こすのかを理解することで、より的確な対処が可能になります。

ブレーキシューの摩耗や汚れの付着

自転車のブレーキが効かなくなる最も一般的な原因の一つが、ブレーキシュー(ブレーキパッドとも呼ばれる)の摩耗です。ブレーキシューは、リム(ホイールの縁)やブレーキディスクに直接接触し、摩擦によって自転車の速度を落とす役割を果たします。ゴムや樹脂でできた消耗品であり、使用するにつれて徐々にすり減っていきます。

ブレーキシューが摩耗すると、厚みが減り、リムやディスクに十分に接触しなくなります。その結果、レバーを深く握り込まないとブレーキが効かなくなったり、最終的には全く効かなくなったりします。ブレーキシューの表面には、摩耗限度を示す溝や線が設けられていることが多く、これが消えかかっている場合は交換時期のサインです。また、ブレーキシューの表面に砂や泥、油分などの汚れが付着することも、ブレーキの効きを著しく低下させます。特に、雨の中を走行したり、未舗装路を走ったりすると、ブレーキシューに異物が付着しやすくなります。油分が付着すると、摩擦力がほとんどなくなり、ブレーキをかけても滑るような感触になります。症状としては、レバーを握っても制動力が弱く、滑るような感覚があったり、キュルキュルという異音が発生したりすることが挙げられます。ブレーキシューの硬化も同様に効きを悪くします。長期間使用していると、ゴムが劣化して硬くなり、本来の摩擦力が失われることがあります。

ブレーキワイヤーの伸びやサビ

ブレーキワイヤーは、レバーからの力をブレーキ本体に伝える重要な役割を担っています。このワイヤーが何らかの原因でスムーズに動かなくなると、ブレーキの効きが悪化します。

新品のワイヤーは、使用開始からしばらくすると「初期伸び」と呼ばれる現象を起こし、少しだけ伸びることがあります。これにより、ブレーキレバーの引きしろが増え、ブレーキの効きが甘くなることがあります。これは故障ではありませんが、定期的な調整が必要です。より深刻な問題として、ワイヤー内部にサビが発生することがあります。特に雨水などがワイヤーのアウターケーシング(外側の保護チューブ)内部に侵入すると、ワイヤーがサビつき、動きが非常に悪くなります。サビついたワイヤーは、レバーの操作感が重くなったり、途中で引っかかったりするような感触を引き起こし、最終的にはワイヤーが固着してブレーキが全く効かなくなってしまうこともあります。また、ワイヤーが切れてしまう可能性もあります。ワイヤーのアウターケーシングが劣化して内部のワイヤーが露出したり、アウターケーシングの内部でワイヤーが擦れて毛羽立ったりすることでも、摩擦が増えてブレーキの効きが悪化します。症状としては、レバーの引きが重い、レバーを握ってもすぐにブレーキが効かない、またはレバーが途中で引っかかるような感じがするといったものが挙げられます。

Vブレーキの「片効き」とその原因

Vブレーキは、多くのクロスバイクやマウンテンバイク、シティサイクルにも採用されている一般的なリムブレーキの一種です。このVブレーキによく見られるトラブルの一つが「片効き」です。片効きとは、左右のブレーキシューのどちらか一方だけがリムに接触してしまい、もう一方が十分に接触しない、あるいは全く接触しない状態を指します。

片効きが発生すると、ブレーキレバーを握った際に自転車が左右どちらかに引っ張られるような感覚になったり、ブレーキの効き自体が非常に弱くなったりします。原因としては、以下の点が考えられます。まず、ブレーキシューの位置のズレです。ブレーキシューがリムに対して平行ではなく、片側だけが早く接触するような角度になっている場合、片効きが起こります。次に、ブレーキ本体のセンター調整の狂いです。Vブレーキ本体には、左右のブレーキアームの動きを調整するための小さなスプリング調整ネジが付いていますが、これが左右で異なる力で調整されていると、どちらか一方のアームだけが強く引き寄せられて片効きが発生します。また、ブレーキワイヤーの張り具合の不均一も原因となります。ワイヤーの固定が緩んでいたり、ワイヤーの取り回しに無理があったりすると、左右のアームに均等に力が伝わらず、片効きを引き起こすことがあります。さらに、ホイールの振れ(リムの歪み)も片効きの原因となります。リムが左右に振れていると、ブレーキシューが均等にリムに当たらず、片効きのように見えることがあります。この場合、ブレーキ本体の問題というよりも、ホイールの調整が必要になります。症状としては、ブレーキをかけるとハンドルが左右にブレる、ブレーキをかけても制動力が十分に得られない、といったものがあります。

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自分でできるブレーキの点検と調整方法

基本的な工具があれば、自分でブレーキの点検や簡単な調整を行うことができます。これにより、多くの場合、専門家に頼むことなくブレーキの不調を改善できます。

アジャスターボルトを使った引きしろ調整

ブレーキレバーの根元付近には、アジャスターボルトと呼ばれる部品が付いています。このアジャスターボルトを回すことで、ブレーキワイヤーの張りを微調整し、レバーの引きしろ(遊び)を調整することができます。

まず、ブレーキレバーの根元にあるアジャスターボルトとそのロックナット(緩み止め)を探します。通常、ロックナットを緩めてからアジャスターボルトを回します。アジャスターボルトを反時計回り(緩める方向)に回すと、ワイヤーが引っ張られ、レバーの引きしろが少なくなります。つまり、少しの力でブレーキが効くようになります。逆に、アジャスターボルトを時計回り(締める方向)に回すと、ワイヤーが緩み、レバーの引きしろが増えます。レバーを深く握らないとブレーキが効かない場合は、反時計回りに回してワイヤーを張りましょう。調整の目安は、レバーを握り始めてからブレーキが効き始めるまでの間に、指が少し余裕をもって挟めるくらいの隙間があることです。調整が終わったら、必ずロックナットを締め付けてアジャスターボルトが動かないように固定してください。ロックナットを締め忘れると、走行中にアジャスターボルトが緩み、ブレーキの効きが変わってしまう危険性があります。この調整は非常に簡単で、初期伸びによる引きしろの変化や、ブレーキシューのわずかな摩耗による効きの甘さを手軽に改善できます。

ブレーキシューの清掃と位置調整

ブレーキシューは、ブレーキの効きに直結する重要なパーツです。摩耗や汚れがないか確認し、必要に応じて清掃や位置調整を行いましょう。

まず、ブレーキシューを目視で確認します。ブレーキシューの表面に砂利や金属片などの異物が刺さっていないか、油汚れが付着していないかを確認します。異物が刺さっている場合は、ピンセットなどで慎重に取り除きます。油汚れが付着している場合は、パーツクリーナーを布に含ませて拭き取るか、中性洗剤を薄めた水で拭き取り、よく乾燥させます。ブレーキシューのゴム部分が硬化している場合や、摩耗限度を超えている場合は、新しいブレーキシューに交換する必要があります。ブレーキシューの調整は、基本的にブレーキシューを固定しているボルトを緩めて行います。Vブレーキの場合、ブレーキシューがリムに対して平行に当たるように位置を調整します。ブレーキシューがリムの上部や下部に擦れていないか、また、タイヤに当たらないかを確認しながら調整します。ブレーキシューとリムの間には、薄い名刺一枚分程度の隙間が均等に空くように調整するのが理想です。調整が終わったら、ボルトをしっかりと締め付け、ブレーキシューが動かないことを確認します。この際、締め付けが甘いとブレーキシューがずれて片効きや異音の原因となるため注意が必要です。また、Vブレーキの場合、左右のブレーキシューが均等にリムに当たるように、Vブレーキ本体のアームにある小さなスプリング調整ネジを左右同じ力になるように調整します。これを回すと、ブレーキシューとリムの隙間を微調整できます。

ワイヤーの初期たるみを直す方法

新しい自転車やワイヤーを交換したばかりの自転車では、ワイヤーが初期の伸びを起こし、たるみが生じることがあります。このたるみを放置すると、ブレーキの効きが悪くなるだけでなく、レバーを深く握らないとブレーキが効かない状態になってしまいます。

ワイヤーの初期たるみを直すには、まず、ブレーキレバーのアジャスターボルトを最大限に締め込み(時計回りに回しきる)、ワイヤーの遊びを最も大きくします。次に、ブレーキ本体でワイヤーを固定しているボルト(Vブレーキであればアームの付け根付近にあるワイヤーをクランプしているボルト)を緩めます。ワイヤーを緩めたら、もう片方の手でブレーキ本体のアームをリムに軽く押し付け、ブレーキシューがリムに少し触れる程度の状態にします。この状態でワイヤーを軽く引っ張り、たるみを取り除きながら、ワイヤー固定ボルトを再度しっかりと締め付けます。締め付けが不十分だと、走行中にワイヤーが緩んでしまう危険性があるため、工具を使ってしっかりと締め付けましょう。最後に、ブレーキレバーのアジャスターボルトを反時計回りに少しずつ回し、レバーの適切な引きしろになるように微調整します。この作業は、ワイヤーのテンションを適切に保つために重要であり、ブレーキの応答性を向上させます。もし、この作業でたるみが十分に取れない場合や、ワイヤーが著しく伸びている場合は、ワイヤー自体の交換が必要になることもあります。

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専門家への依頼が必要なケースと修理費用

自分でできる対処法を試しても改善しない場合や、より深刻なトラブルの場合は、自転車専門店や修理店に依頼することをお勧めします。専門家による修理は、安全性を確保するために不可欠です。

自分で対処できない重度のトラブル

以下のような場合は、無理に自分で解決しようとせず、速やかに専門家へ依頼しましょう。

  • ブレーキワイヤーの内部断線やほつれ: ワイヤーがアウターケーシングの内部で断線していたり、ワイヤーの素線がほつれて飛び出している場合、自分で修理するのは非常に危険です。特にブレーキワイヤーは走行中に負荷がかかるため、不適切な修理では予期せぬ断線を引き起こす可能性があります。このような状態では、ブレーキの効きが悪くなるだけでなく、最悪の場合、ワイヤーが完全に切れてブレーキが全く効かなくなる事態も起こりえます。
  • ブレーキレバーや本体の破損、歪み: 転倒などによってブレーキレバーが曲がってしまったり、ブレーキ本体(Vブレーキのアームやキャリパーブレーキの本体など)が歪んでしまったりしている場合、部品の交換が必要です。無理に力を加えて直そうとすると、さらに破損を広げたり、強度が落ちて危険な状態になる可能性があります。部品の交換は専門的な知識と工具が必要となるため、プロに任せるのが安全です。
  • ホイールの振れがひどい場合: ブレーキの片効きの原因がホイールの振れによるもので、かつ振れ幅が大きい場合、自分で直すのは非常に困難です。ホイールの振れ取りには専用の工具(振れ取り台やニップルレンチ)と専門的な技術が必要であり、素人が行うと余計に振れが大きくなったり、ホイールを破損させたりする恐れがあります。
  • 油圧ディスクブレーキの不調: 最近のスポーツサイクルで増えている油圧ディスクブレーキは、ブレーキオイルの交換やエア抜きなど、専門的なメンテナンスが必要です。素人が分解や修理を行うと、ブレーキシステムを損傷させたり、制動力が低下したりするリスクがあります。
  • 原因が特定できない、または対処法が分からない場合: いくつかの基本的な点検・調整を試しても問題が解決しない場合や、そもそも何が原因でブレーキが効かないのか分からない場合は、経験豊富な自転車店に相談するのが最も確実です。プロのメカニックであれば、的確な診断と適切な修理を行ってくれます。

ブレーキワイヤー交換の費用相場

ブレーキワイヤーの交換は、自分で対処できない重度のトラブルの一つであり、専門家への依頼が必要となるケースが多いです。費用はワイヤーの種類や店舗によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

  • 前輪ワイヤー交換: 約1,500円〜2,500円
  • 後輪ワイヤー交換: 約1,500円〜2,500円

これには、部品代と工賃が含まれています。ワイヤーは前輪用と後輪用で長さが異なるため、それぞれ交換費用が発生します。特に、内装変速機付きのシティサイクルなど、ワイヤーの取り回しが複雑な場合は、少し高くなる傾向があります。ワイヤーが完全に切れてしまう前に、異音や操作感の悪化に気づいた時点で交換を検討しましょう。定期的な点検でワイヤーの状態を確認することが、トラブルの予防に繋がります。

ブレーキシュー交換の費用と目安

ブレーキシューは消耗品であるため、定期的な交換が必要です。自分で交換も可能ですが、正確な位置調整が必要なため、自信がない場合はプロに依頼することをお勧めします。

  • ブレーキシュー(ペア)部品代: 約500円〜2,000円(材質や性能によって幅があります)
  • 交換工賃(片側): 約500円〜1,000円

したがって、前後輪両方のブレーキシューを交換する場合、部品代と工賃を合わせて2,000円〜6,000円程度が目安となります。ブレーキシューは、使用頻度や走行環境によって摩耗速度が大きく異なりますが、一般的には数千キロメートル走行ごとに点検し、必要に応じて交換するのが良いとされています。雨天走行が多い、坂道が多い、急ブレーキをかけることが多いなどの場合は、より頻繁な点検と交換が必要になるでしょう。ブレーキシューの摩耗限度を示す溝が消えかかっている、ゴムが硬化している、制動力が明らかに低下した、などの症状が見られたら交換時期と考えましょう。

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ブレーキトラブルを防ぐための日頃のメンテナンス

ブレーキのトラブルは、日頃のちょっとしたメンテナンスで未然に防ぐことができます。定期的な点検と簡単な手入れを習慣にすることで、安全な走行を長く維持できます。

定期的な点検で早期発見

自転車のブレーキは、走行の安全を左右する最も重要な部品の一つです。そのため、日常的にブレーキの状態をチェックする習慣をつけましょう。

具体的には、自転車に乗る前や乗った後に、以下の点を確認することが推奨されます。まず、ブレーキレバーの握り心地です。レバーを握った際に、いつもと違う重さや軽さ、あるいは引っかかりがないかを確認します。次に、レバーの引きしろ(遊び)です。レバーを握り始めてからブレーキが効き始めるまでの距離が適切かを確認します。引きしろが大きすぎる場合は、ワイヤーの伸びやブレーキシューの摩耗が考えられます。また、ブレーキの効き具合も重要です。実際にブレーキをかけてみて、前後輪ともにしっかりと制動力が得られるか、片効きになっていないかを確認しましょう。さらに、ブレーキシューの摩耗状態を目視で確認します。ブレーキシューの表面にある摩耗限度を示す溝が残っているか、異物が刺さっていないか、ゴムが硬化していないかなどをチェックします。Vブレーキの場合、ブレーキシューとリムの隙間が左右均等になっているか、ブレーキシューがリムに対して平行に当たっているかも確認しましょう。最後に、ワイヤーの損傷やサビがないかを確認します。ワイヤーのアウターケーシングに亀裂が入っていないか、露出しているワイヤー部分にサビが発生していないかをチェックします。これらの点検を定期的に行うことで、小さな異変に早期に気づき、大きなトラブルになる前に適切な対処をすることができます。

日常の簡単な清掃と注油

ブレーキの性能を維持するためには、日頃の簡単な清掃と適切な注油が非常に効果的です。特に、雨天走行後や汚れのひどい場所を走行した後は、念入りに行いましょう。

まず、ブレーキシューとリム(またはディスクローター)の清掃です。ブレーキシューの表面やリムのブレーキが当たる面(ディスクローター)に、泥や砂、油分などの汚れが付着していると、ブレーキの効きが悪くなったり、異音の原因になったりします。乾いた布で拭き取るか、汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めた水を含ませた布で丁寧に拭き取り、その後しっかりと乾燥させます。パーツクリーナーを使用する際は、ブレーキシューやゴム部品に直接スプレーしないよう注意し、布に含ませてから拭き取るようにしましょう。次に、ブレーキワイヤーへの注油です。ワイヤーのアウターケーシングの入り口や、ワイヤーが露出している部分に、自転車用の潤滑油(スプレータイプや粘度の低いオイル)を少量塗布します。これにより、ワイヤー内部の摩擦が減り、レバーの操作感がスムーズになり、ワイヤーの寿命を延ばすことができます。注油後、レバーを数回握り、オイルをワイヤー内部に行き渡らせましょう。過度な注油はかえってホコリを吸着しやすくするため、少量で十分です。また、Vブレーキの場合、ブレーキアームの可動部に注油することで、アームの動きがスムーズになり、片効きを防ぐ効果も期待できます。ただし、ブレーキに油分が付着すると危険なため、注油作業は慎重に行い、余分な油分はすぐに拭き取りましょう。

ブレーキパーツの寿命と交換時期

自転車のブレーキシステムを構成するパーツには、それぞれ寿命があり、適切な時期に交換することで安全性を保つことができます。

  • ブレーキシュー: ブレーキシューの寿命は、走行距離や使用環境、ブレーキの頻度によって大きく異なりますが、一般的には3,000km〜5,000km走行ごと、または年に1回程度の点検が推奨されます。ブレーキシューの表面にある摩耗限度を示す溝が消えかかっている場合や、ゴムが硬化してひび割れが見られる場合は交換時期です。制動力が低下したと感じたら、見た目に問題がなくても交換を検討しましょう。
  • ブレーキワイヤー: ブレーキワイヤーの寿命は、外観の劣化だけでなく、内部のサビやほつれによっても左右されます。一般的には3年〜5年程度での交換が目安とされていますが、使用頻度が高い場合や雨天走行が多い場合は、より早期の交換が必要になることがあります。レバーの引きが重い、操作時に引っかかりを感じる、ワイヤーにサビが見られる、アウターケーシングが劣化しているなどの症状が現れたら交換時期です。ワイヤーが完全に切れてしまうと非常に危険なので、異常を感じたらすぐに交換しましょう。
  • ブレーキ本体(Vブレーキ、キャリパーブレーキなど): ブレーキ本体そのものの寿命は非常に長く、通常は10年以上使用できることが多いです。しかし、転倒による破損や、スプリングの劣化、軸のガタつきなどが発生した場合は交換が必要になります。特に可動部の動きが悪くなったり、異音が発生したりする場合は、専門家による点検を受けることをお勧めします。

これらのパーツは消耗品であり、定期的な交換によってブレーキの性能を維持し、安全な走行を確保できます。早めの交換が、大きな事故を防ぐことに繋がります。

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まとめ:安全な走行はブレーキから

自転車のブレーキは、私たちの安全を直接守る最も重要なパーツです。右ブレーキや左ブレーキの効きが悪いと感じた時、その原因はブレーキシューの摩耗やワイヤーの伸び、Vブレーキの片効きなど、多岐にわたります。この記事でご紹介したように、まずは左右どちらのブレーキが効かないか、レバーの引きしろは適切か、異音はないかなどを確認し、原因の特定に努めましょう。

アジャスターボルトを使った引きしろ調整やブレーキシューの清掃・位置調整など、自分でできる簡単な点検・調整方法も多くあります。これらのメンテナンスを日頃から行うことで、ブレーキトラブルを未然に防ぎ、常に安全な状態で自転車に乗ることができます。

しかし、ワイヤーの内部断線やブレーキ本体の破損、深刻なホイールの振れなど、自分で対処できない重度のトラブルの場合は、無理をせず専門家への依頼を検討してください。自転車専門店では、適切な工具と専門知識を持ったメカニックが、あなたの自転車を安全な状態に戻してくれます。

「安全な走行はブレーキから」という言葉の通り、ブレーキの適切なメンテナンスと早めの対処が、あなたの自転車ライフをより楽しく、そして安全なものにしてくれます。この記事が、あなたのブレーキトラブル解決の一助となり、より安心して自転車に乗れるようになることを願っています。

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【この記事を書いた人】
サイクリスト大谷

国家資格「自転車技士」を持つサイクリスト。

自身の多くの失敗経験を元に、メンテナンスやロングライドのコツを分かりやすく解説しています。

※記事の執筆には一部AIを利用しております。AIの回答には間違いが含まれている場合があり、必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。誤情報による記事の修正依頼はお問い合わせページよりお願いします。
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