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自転車ギアの使い分けガイド!6段変速の使い方とおすすめギア比

ギア
自転車ライフナビ・イメージ

自転車のギア、あなたは上手に使いこなせていますか?

「坂道がいつもキツい」「平坦な道でもっと楽に走りたい」「そもそもギアの使い分けがよく分からない」そんな悩みを抱えている方は少なくないでしょう。

自転車のギアは、ただペダルを重くしたり軽くしたりするためだけのものではありません。

その仕組みを正しく理解し、状況に応じて適切に使い分けることで、いつもの道が驚くほど快適に、そして楽しく走れるようになります。

この記事では、自転車のギアに関するあらゆる疑問にお答えします。

ギアの基本的な役割や変速の仕組みから、多くの人が乗っている6段変速ギアの具体的な使い方、少し専門的なギア比の知識、さらにはやってはいけないNGな使い方やメンテナンス方法まで、徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたもギアを自在に操る「自転車マスター」になっているはずです。

さあ、一緒にギアの世界を探求し、あなたのサイクルライフを一段上のステージへと引き上げましょう。

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自転車ギアの基本!役割と変速の仕組み

自転車ギアの基本!役割と変速の仕組み

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自転車の便利機能であるギアですが、その本当の役割やどうやって変速しているのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、自転車のギアが持つ本質的な役割と、変速が行われるメカニズムについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

この基本を理解することが、上手なギア活用の第一歩です。

そもそも自転車のギア(変速)とは?

自転車のギア(変速機)とは、一言でいえば「ペダルを漕ぐ重さを変えるための装置」です。

自動車でいうところのトランスミッション(変速機)と同じような役割を果たしています。

私たちは、ペダルを漕ぐことで後輪を回転させ、自転車を前進させています。

ギアは、この「ペダルを1回転させたときに、後輪が何回転するか」という比率を変化させることで、ペダルの重さと進む距離のバランスを調整しているのです。

この仕組みをもう少し詳しく見ると、「チェーンリング(前の大きな歯車)」と「スプロケット(後ろの小さな歯車の集まり)」という2つのパーツが関係しています。

チェーンは、この2つの歯車に掛かっており、変速レバーを操作すると「ディレイラー」と呼ばれるパーツが動いて、チェーンを異なる大きさの歯車へと掛け替えます。

これにより、ペダルの重さが変わるのです。

自転車の変速には、主に「外装変速」と「内装変速」の2種類があります。

  • 外装変速:ディレイラーがチェーンを動かして、外から見える複数の歯車に掛け替えるタイプ。クロスバイクやロードバイク、マウンテンバイク、一部のシティサイクルに採用されています。幅広いギアの選択が可能ですが、チェーンが外れやすいなどのデメリットもあります。
  • 内装変速:後輪のハブ(軸)の内部に、遊星歯車機構という複雑なメカニズムが組み込まれているタイプ。主にシティサイクル(ママチャリ)に採用されています。停車中でも変速が可能で、チェーンが外れにくくメンテナンスも楽ですが、選択できるギアの段階が少なく、重量が重い傾向にあります。

どちらのタイプであっても、「ペダルの重さを状況に合わせて最適化する」という基本的な役割は同じです。

軽いギアと重いギアの違いを解説

ギアには「軽いギア」と「重いギア」があります。

この違いを理解することが、ギアを使いこなす上で最も重要なポイントです。

一見すると複雑に感じるかもしれませんが、「てこの原理」をイメージすると分かりやすいでしょう。

ギアの種類 軽いギア(ローギア) 重いギア(ハイギア)
ペダルの重さ 軽い 重い
1回転で進む距離 短い 長い
脚にかかる負担 少ない 大きい
スピード 出しにくい 出しやすい
主な使用場面 漕ぎ出し、登り坂、向かい風 スピードに乗った平坦な道、下り坂
歯車の組み合わせ 前:小さい歯車 / 後:大きい歯車 前:大きい歯車 / 後:小さい歯車

軽いギアは、ペダルをたくさん回す必要がありますが、一回一回の踏み込みは非常に軽くなります。

これは、小さな力で大きなものを動かす「てこの原理」と同じです。

坂道を登るときや、信号待ちからの漕ぎ出しなど、大きな力が必要な場面で活躍します。

一方、重いギアは、ペダルを踏み込むのに大きな力が必要ですが、一度漕ぐだけで自転車は遠くまで進みます。

すでにスピードに乗っている平坦な道や、緩やかな下り坂でさらに加速したいときに使います。

軽いギアが「コツコツ型」だとすれば、重いギアは「どっしり型」とイメージすると良いでしょう。

重要なのは、どちらが良い・悪いということではなく、状況に応じて適切なギアを選択することです。

正しい変速タイミングとペダリングのコツ

ギアの性能を最大限に引き出すためには、変速するタイミングとペダルの漕ぎ方(ペダリング)にもコツがあります。

間違った操作は、パーツの消耗を早めたり、トラブルの原因になったりもします。

まず、変速の最も重要なルールは「ペダルを回しながら変速操作を行う」ということです。

特に、ディレイラーがチェーンを動かす外装変速の場合、ペダルを回してチェーンが動いていないと、変速機だけが動いてしまい、次に漕ぎ出した瞬間に「ガチャン!」と大きな音を立てて無理やり変速したり、最悪の場合はチェーンが外れたりします。

変速レバーを操作したら、ペダルを数回転させて、スムーズにチェーンが移動したことを確認しましょう。

ただし、変速する瞬間は、ペダルにグッと力を込めるのを一瞬だけやめて、軽く回すように意識するのがポイントです。

力を込めたまま変速すると、チェーンや歯車に大きな負担がかかり、摩耗を早める原因になります。

次に、変速のタイミングです。

  • 坂道が見えてきたら:坂に突入してから変速するのではなく、坂に入る手前の平坦な道のうちに、あらかじめ軽いギアに変速しておきましょう。これにより、失速することなくスムーズに坂を登り始めることができます。
  • 信号で止まるとき:止まる直前に、次に漕ぎ出しやすいように軽いギアにあらかじめ落としておくと、スタートが非常に楽になります。
  • スピードを上げたいとき:漕ぎ出しは軽いギアでスタートし、スピードが乗ってくるにつれて一段ずつギアを重くしていくのが基本です。いきなり重いギアで漕ぎ出すのは、脚に大きな負担がかかるだけでなく、効率も悪くなります。

ペダリングについては、「ケイデンス」という考え方を知っておくと便利です。

ケイデンスとは、1分間あたりのペダル回転数のことです。

プロの選手は非常に高いケイデンスを維持しますが、私たち一般のサイクリストは、平坦な道で1分間に60〜80回転くらいを意識すると、脚への負担が少なく、効率的に走り続けることができると言われています。

ペダルが重すぎると感じたらギアを軽くし、軽すぎて空回りする感じがしたらギアを重くして、常に自分が快適だと感じる一定のリズムでペダルを回し続けることを目指しましょう。

これが、疲れにくく、長距離を走るための秘訣です。

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【状況別】6段ギアの上手な使い方

【状況別】6段ギアの上手な使い方

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多くのシティサイクル、いわゆるママチャリに搭載されているのが「6段変速ギア」です。

この6つのギアをどのように使い分ければ良いのか、具体的なシチュエーションに分けて詳しく解説していきます。

自分の普段走る道を思い浮かべながら読んでみてください。

平坦な道での基本的なギアポジション

平坦な道を気持ちよく走るためには、どのギアを選べば良いのでしょうか。

6段変速の場合、基本となるのは真ん中あたりの「3速」または「4速」です。

1速や2速では軽すぎてペダルが空回りする感じになり、スピードも出ません。

逆に5速や6速ではペダルが重く感じ、すぐに疲れてしまいます。

3速か4速は、ペダルに適度な重さがあり、漕いだ分だけしっかりと前に進んでくれる、最も効率の良いギアポジションと言えるでしょう。

少し風がある日や、少しだけ疲れを感じているときは3速、体調が良く快調に走れるときは4速、といったように使い分けるのがおすすめです。

大切なのは、「少し物足りないかな?」くらいの軽い力で、リズミカルにペダルを回し続けられるギアを選ぶことです。

常に全力で漕がなければ進まないような重いギアを選んでいると、短い距離でも疲労が蓄積してしまいます。

快適な巡航速度を維持するための「クルーズギア」として、3速と4速を基本に考えてみましょう。

坂道を楽に登るためのギアチェンジ術

自転車に乗る上で、多くの人が最も苦手意識を持っているのが「坂道」ではないでしょうか。

しかし、ギアを上手に使えば、坂道の辛さは大幅に軽減できます。

坂道を登るための鉄則は、「坂道に入る前にギアを軽くしておくこと」です。

坂の途中で「もう無理だ!」と思ってからギアを変えようとしても、ペダルに体重が乗っている状態なのでうまく変速できず、かえってバランスを崩したり失速したりしてしまいます。

前方に坂道が見えたら、迷わず「2速」または「1速」にチェンジしましょう。

  • 緩やかな、短い坂道:「2速」を使います。ある程度のスピードを維持しつつ、軽い力で登り切ることができます。
  • 急な、長い坂道:「1速」の出番です。ペダルは非常に軽くなり、スピードは落ちますが、焦らず一歩一歩ペダルを回し続ければ、自転車から降りることなく登り切れる可能性が高まります。

1速は「緊急用」や「最終手段」と考えておくと良いでしょう。

とにかくペダルを回し続けることが重要です.

もし途中で足が止まりそうになったら、立ち漕ぎ(ダンシング)を組み合わせるのも有効です。

ただし、立ち漕ぎは体力の消耗が激しいので、短い区間に限定するのが賢明です。

ギアを軽くし、一定のペースでペダルを回し、顔を上げて少し先を見ながら登る。

これが坂道攻略のコツです。

スピードを出す・維持するときのギア選び

平坦な道でスピードに乗ってきたときや、追い風に乗ってさらに加速したいとき、あるいは緩やかな下り坂では、重いギアが活躍します。

6段変速における「スピードギア」は「5速」と「6速」です。

漕ぎ出しからいきなり5速や6速に入れるのは、脚に大きな負担がかかるためNGです。

まずは3速や4速で助走をつけ、十分にスピードが乗ってきたと感じたら5速へ、さらに加速したい場合に6速へ、というように段階的にシフトアップしていくのが正しい使い方です。

  • 5速:平坦な道で快適な巡航速度(時速15〜20km程度)に達したときに、そのスピードを維持するのに適しています。4速ではペダルが軽すぎると感じ始めたら、5速に入れてみましょう。
  • 6速:自転車が出せる最高速に挑戦するためのギアです。緩やかな下り坂や、強い追い風が吹いている状況など、ペダルを漕がなくてもスピードが出るような場面で使うと、さらに速度を上乗せすることができます。平坦な道で6速を使い続けるのは、かなりの脚力が必要になります。

重いギアを使うときの注意点は、調子に乗って踏み込みすぎないことです。

重いギアでのペダリングは、膝への負担も大きくなります。

スピードを出すのは楽しいですが、あくまで無理のない範囲で、安全に配慮しながら楽しむことが大切です。

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自転車ギア比の基礎知識

自転車ギア比の基礎知識

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「ギア比」という言葉を聞いたことがありますか?

少し専門的に聞こえるかもしれませんが、このギア比の概念を理解すると、なぜギアを変えるとペダルの重さが変わるのか、自分の自転車がどのような特性を持っているのかが、より深く理解できるようになります。

ここでは、ギア比の基本を分かりやすく解説します。

ギア比とは?計算方法と見方

ギア比とは、ペダル側の歯車(チェーンリング)と後輪側の歯車(スプロケット)の歯数の比率を表す数値です。

この数値によって、ペダルを1回転させたときに後輪が何回転するかが決まります。

計算方法は非常にシンプルです。

ギア比 = 前のギアの歯数 ÷ 後ろのギアの歯数

例えば、前のギアの歯数が48枚(48Tと表記します)、後ろのギアの歯数が16枚(16T)だったとしましょう。

この場合のギア比は、48 ÷ 16 = 3.0 となります。

これは、「ペダルを1回転させると、後輪が3回転しますよ」ということを意味しています。

このギア比の数値が大きければ大きいほど「重いギア」、小さければ小さいほど「軽いギア」となります。

  • ギア比が大きい(例:4.0):ペダルを1回転させると後輪が4回転する。たくさん進むが、ペダルは重い。
  • ギア比が小さい(例:1.0):ペダルを1回転させると後輪も1回転する。進む距離は短いが、ペダルは軽い。

自分の自転車の歯数を数えて、最も重いギア(前が一番大きく、後ろが一番小さい)と、最も軽いギア(前が一番小さく、後ろが一番大きい)のギア比を計算してみると、その自転車の性能の幅(ギアレンジ)を知ることができます。

ギア比が高い(重い)メリット・デメリット

ギア比が高い、つまり「重いギア」には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット:

  • 高速巡航が得意:ペダル1回転で進む距離が長いため、一度スピードに乗ってしまえば、少ないペダル回転数で高速を維持することができます。平坦な道や下り坂で非常に有利です。
  • 最高速度が高い:理論上、出せるスピードの上限が高くなります。

デメリット:

  • 漕ぎ出しが重い:停止状態から動き出す際に、大きな力が必要になります。信号待ちなどストップ&ゴーが多い街中では、脚に負担がかかります。
  • 登り坂に弱い:坂道で重いギアを踏み続けるのは、非常に大きな脚力が必要となり、現実的ではありません。
  • 脚への負担が大きい:常に大きな力でペダルを踏み込むため、筋肉や膝などの関節に負担がかかりやすく、疲労が蓄積しやすいです。

ギア比が高い設定は、平坦な道をハイスピードで駆け抜けるロードレースのような場面で真価を発揮します。

ギア比が低い(軽い)メリット・デメリット

次に、ギア比が低い、つまり「軽いギア」のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット:

  • 漕ぎ出しが軽い:非常に軽い力でペダルを回せるため、停止状態からのスタートがとても楽です。
  • 登り坂に強い:急な坂道でも、ペダルをクルクルと回し続けることで、比較的楽に登っていくことができます。脚への負担も少なく、息も上がりにくいです。
  • 脚に優しい:ペダルにかかる力が小さいため、筋肉や関節への負担が少なく、長時間のサイクリングでも疲れにくいです。

デメリット:

  • スピードが出しにくい:ペダルをたくさん回さないとスピードが上がらないため、高速で走るのには向いていません。
  • ペダリングが忙しい:スピードを維持しようとすると、常にペダルを速く回し続ける必要があり、せわしなく感じることがあります。これを「ケイデンスが上がりすぎる」と表現します。

ギア比が低い設定は、坂道が多い山岳地帯や、荷物をたくさん積んで走る場合、あるいは脚力に自信のない初心者の方などに適しています。

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用途別おすすめのギア比設定

用途別おすすめのギア比設定

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ギア比の基本がわかったところで、次はあなたの自転車ライフに合わせた、具体的なギア比設定の考え方を見ていきましょう。

通勤・通学で使うのか、本格的なサイクリングで使うのかによって、最適なギア比は大きく異なります。

通勤・通学で疲れにくいギア比

毎日の通勤や通学で自転車を使う場合、最も大切なのは「疲れにくいこと」です。

レースのようにスピードを競うわけではないので、無理のないギア比設定が重要になります。

通勤・通学路の特徴として、信号や交差点でのストップ&ゴーが多いこと、歩行者や他の車両に注意を払う必要があるため、急な加速や高速巡航はあまり必要ないことが挙げられます。

このような状況でおすすめなのは、全体的に「やや軽め」のギア比設定です。

具体的には、ギア比が2.0〜3.0の範囲を常用ギアとして使えると非常に快適です。

この範囲のギア比は、漕ぎ出しが比較的楽で、時速15km前後の快適なスピードを維持しやすいからです。

もしお住まいの地域に坂道が多い場合は、最も軽いギアのギア比が1.0に近くなるような設定だと、いざという時に安心です。

例えば、シティサイクル(ママチャリ)であれば、普段は3速(ギア比2.5前後)あたりをメインに使い、坂道では迷わず1速(ギア比1.5前後)を使う、という意識を持つと良いでしょう。

重いギア(5速や6速)は、時間に余裕があって、かつ安全な直線で少しスピードを出してみたい、という時に使う程度に留めておくのが賢明です。

クロスバイクの理想的なギア比は?

クロスバイクは、ロードバイクの速さとマウンテンバイクの安定性を併せ持ち、街乗りから週末のサイクリングまで幅広くこなせる万能選手です。

そのため、ギア比の設定も非常に幅広くなっています。

多くのクロスバイクでは、フロントに2枚または3枚、リアに7〜9枚のギアが装備されています。

これにより、非常に軽いギアから非常に重いギアまで、状況に応じて細かく選択することが可能です。

クロスバイクの理想的なギア比は、まさにその「万能性」を活かせる設定と言うことができます。

  • 街乗りメインの場合:通勤・通学と同様、ストップ&ゴーのしやすさを重視し、フロントギアはインナー(小さい方)をメインに使うと楽に走れます。ギア比で言えば、1.5〜3.0あたりを頻繁に使うことになるでしょう。
  • サイクリングを楽しむ場合:平坦なサイクリングロードを快走したいなら、フロントギアをアウター(大きい方)に入れ、リアを状況に応じて変速します。ギア比3.0〜4.0あたりを使うと、気持ちの良いスピード感を得られます。
  • 坂道に挑戦したい場合:フロントをインナー、リアを一番軽いギア(一番大きい歯車)にすれば、ギア比は1.0に近い、あるいは1.0を切るような非常に軽い設定にできます。これにより、ロードバイクではためらうような急な坂道にもチャレンジできます。

このように、クロスバイクでは「フロントギアの使い分け」が重要なポイントになります。

平坦路や下りではアウター、登り坂や街中ではインナー、と大まかに使い分けることを意識するだけで、走りが格段に楽になります。

ロードバイクのギア比の選び方

ロードバイクは、より速く、より遠くへ走ることを目的とした自転車であり、ギア比の選び方はパフォーマンスに直結する重要な要素です。

選び方は、乗り手の脚力や、どのような走り方をしたいか(ヒルクライム、平坦レース、ロングライドなど)によって大きく変わります。

ロードバイクのギア構成を語る上で重要なのが、フロントギアの「クランクセット」と、リアギアの「カセットスプロケット」の組み合わせです。

クランクセットの種類:

  • ノーマルクランク:歯数が53-39Tなど、大きく重いギア比設定。平坦での高速巡航やレース志向のライダー向け。
  • コンパクトクランク:歯数が50-34Tなど、比較的小さく軽いギア比設定。坂道を含む多様なコースに対応しやすく、アマチュアサイクリストの主流となっています。
  • セミコンパクトクランク:歯数が52-36Tなど、上記の中間的な設定。オールラウンドに使いやすい。

カセットスプロケットの種類:

  • 11-25Tや11-28T:歯数差が小さく、平坦路で細かなギア調整がしやすい。
  • 11-30T、11-32T、11-34T:ロー側(軽いギア側)の歯数が大きく、激坂にも対応できるワイドなギア比。ヒルクライムや脚力に自信のないライダーに人気。

選び方の例:

  • ヒルクライムが好き、坂道が苦手な方:フロントは「コンパクトクランク(50-34T)」、リアは「11-32T」や「11-34T」。最も軽いギア比が34÷34=1.0となり、急な坂も比較的楽に登れます。
  • 平坦なコースでのレースや高速走行がメインの方:フロントは「ノーマルクランク(53-39T)」や「セミコンパクト(52-36T)」、リアは「11-28T」。クロスレシオ(歯数差が小さい)で、速度に合わせた最適なギアを選びやすいです。
  • とりあえずオールラウンドに楽しみたい初心者の方:「コンパクトクランク(50-34T)」と「11-30T」または「11-28T」の組み合わせが最も無難でおすすめです。多くの完成車で採用されている、バランスの取れた設定です。

自分の脚質と主なフィールドをよく考えて、最適なギア比の組み合わせを見つけることが、ロードバイクを最大限に楽しむための鍵となります。

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やってはいけないギアの使い方と注意点

やってはいけないギアの使い方と注意点

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便利な自転車のギアですが、使い方を間違えるとトラブルの原因になったり、パーツの寿命を縮めてしまったりすることがあります。

ここでは、安全で快適なサイクルライフを送るために知っておきたい、ギア使用時の注意点やメンテナンスについて解説します。

ギアチェンジでよくある間違い

知らず知らずのうちにやってしまいがちな、ギアチェンジの間違いがいくつかあります。

これらを避けるだけで、自転車への負担を大きく減らすことができます。

  1. 停止中の変速(外装変速の場合)外装変速機は、チェーンが動くことによって変速する仕組みです。そのため、自転車が停止している時に変速レバーを操作しても、ギアは変わりません。そして、次に漕ぎ出した瞬間に、チェーンに大きな負荷がかかりながら「ガチャン!」と音を立てて強制的に変速されます。これはチェーンやディレイラー、歯車を傷める大きな原因になります。必ず、ペダルを軽く回しながら変速するようにしましょう。
  2. 強い力で踏み込みながらの変速登り坂の途中など、ペダルに全体重をかけるようにグッと力を込めている最中に変速するのもNGです。これもまた、チェーンや歯車に過大なストレスを与え、摩耗を促進させたり、チェーン切れの原因になったりします。変速する瞬間は、意識的にペダルを踏む力をフッと抜いて、スムーズにチェーンが移動するのを助けてあげるようなイメージを持つことが大切です。
  3. たすき掛け(チェーンの斜め掛け)これはフロントギアが複数ある自転車(クロスバイク、ロードバイクなど)で起こる現象です。「たすき掛け」とは、チェーンが極端に斜めになるギアの組み合わせを指します。
    • 悪い例①:フロントが一番外側(重いギア)で、リアが一番内側(軽いギア)
    • 悪い例②:フロントが一番内側(軽いギア)で、リアが一番外側(重いギア)この状態にすると、チェーンがディレイラーや隣のギアに接触して「カラカラ」「シャリシャリ」といった異音が発生しやすくなります。また、チェーンに常にねじれの力がかかるため、摩耗が早まり、最悪の場合はチェーンが外れたり切れたりするリスクが高まります。フロントがアウターの時はリアは重い側の数枚、フロントがインナーの時はリアは軽い側の数枚を使うように心がけ、極端な組み合わせは避けるようにしましょう。

トラブルを避けるためのメンテナンス方法

ギア周りのトラブルを未然に防ぎ、常にスムーズな変速性能を維持するためには、日頃の簡単なメンテナンスが非常に重要です。

専門的な知識がなくてもできる、基本的なメンテナンスをご紹介します。

  1. チェーンの洗浄と注油チェーンは自転車の動力伝達を担う心臓部であり、最も汚れやすく、メンテナンスの効果が体感しやすいパーツです。雨の日や汚れた道を走った後はもちろん、定期的に(例えば月に1回程度)洗浄と注油を行いましょう。
    • 洗浄:チェーンクリーナーとブラシを使って、古い油や砂、泥などの汚れをきれいに落とします。
    • 注油:汚れを拭き取って乾燥させた後、チェーンのコマ(つなぎ目)ひとつひとつに、専用のチェーンルブ(オイル)を少量ずつ垂らしていきます。
    • 拭き取り:注油後、余分なオイルをウエス(布)でしっかりと拭き取ります。オイルを付けすぎると、かえって汚れが付着しやすくなるので注意が必要です。きれいなチェーンは、変速がスムーズになるだけでなく、ペダリングも軽くなり、パーツの寿命も延びます。
  2. ワイヤーのチェック変速は、ブレーキと同じようにワイヤーによって操作されています。このワイヤーがサビたり、ほつれたりしていると、変速の動きが鈍くなったり、最悪の場合は切れて変速できなくなったりします。定期的にワイヤーの状態を目で見て確認し、サビやほつれがあれば早めに自転車店で交換してもらいましょう。
  3. ディレイラー(変速機)の清掃ディレイラー、特にリアディレイラーのプーリー(2つの小さな歯車)は、汚れが溜まりやすい場所です。ここに汚れが固着すると、チェーンの動きを阻害し、変速性能の低下や異音の原因になります。使わなくなった歯ブラシなどで、こびりついた汚れを定期的に落としてあげましょう。

チェーンが外れた時の対処法

どんなに気をつけていても、段差の衝撃などでチェーンが外れてしまうことはあります。

しかし、落ち着いて対処すれば、誰でも簡単に直すことができます。

慌てず、以下の手順で試してみてください。手を汚さないように、軍手やコンビニのビニール袋などをサドルバッグに常備しておくと安心です。

リアディレイラー(後ろの変速機)側でチェーンが外れた場合:

  1. まず、安全な場所に自転車を停めます。
  2. リアディレイラーの「プーリーケージ」と呼ばれる、2つの小さな歯車を支えている部分を、後輪の進行方向(前方)にグッと押し出します。こうすることでチェーンの張りが緩みます。
  3. チェーンが緩んだ状態で、外れているチェーンをつまみ、正しい歯車の上に乗せます。
  4. ゆっくりとペダルを正回転方向に回すと、自然とチェーンが元の位置に収まります。

フロントのチェーンリング(前の歯車)側でチェーンが外れた場合:

  • 内側に落ちた場合:リアディレイラーを前方に押してチェーンを緩め、手でチェーンを持ち上げて小さい方のチェーンリングに引っ掛けます。
  • 外側に落ちた場合:同様にチェーンを緩め、手でチェーンを持ち上げて大きい方のチェーンリングに引っ掛けます。

もし自分で直せない場合や、頻繁にチェーンが外れる場合は、ディレイラーの調整がずれていたり、パーツが摩耗していたりする可能性があります。無理せず、お近くの自転車店に相談しましょう。

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まとめ:自分に合ったギアの使い方を見つけよう

まとめ:自分に合ったギアの使い方を見つけよう

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自転車のギアは、あなたのサイクリングをより快適で、効率的で、そして楽しいものに変えてくれる魔法の道具です。

この記事では、ギアの基本的な仕組みから、6段変速の上手な使い方、専門的なギア比の知識、そしてトラブルを避けるための注意点まで、幅広く解説してきました。

軽いギアは漕ぎ出しや坂道を楽にし、重いギアはスピードに乗った平坦な道を快走させてくれます。

大切なのは、完璧な正解を求めることではなく、自分の脚力や走る道、その日の体調に合わせて、最適なギアを自分で見つけ出していくことです。

平坦な道ではどのギアが一番心地よいか、あの坂道はこのギアなら登れるか、といった試行錯誤を繰り返すうちに、あなたは自然とギアを使いこなせるようになっているはずです。

そして、チェーンの掃除や注油といった簡単なメンテナンスを心がけるだけで、あなたの愛車は常に応えてくれるでしょう。

さあ、今日からギアを意識して自転車に乗ってみませんか?

きっと、今までとは違う景色が見えてくるはずです。

自分だけのベストなギアの使い方を見つけて、最高のサイクルライフをお送りください。

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【この記事を書いた人】
サイクリスト大谷

国家資格「自転車技士」を持つサイクリスト。

自身の多くの失敗経験を元に、メンテナンスやロングライドのコツを分かりやすく解説しています。

※記事の執筆には一部AIを利用しております。AIの回答には間違いが含まれている場合があり、必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。誤情報による記事の修正依頼はお問い合わせページよりお願いします。
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