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自転車のブレーキワイヤーの交換費用と自分でやる方法

ブレーキ
自転車ライフナビ・イメージ

毎日乗る自転車、ブレーキの効きに不安を感じたことはありませんか?「最近ブレーキをかけてもキーキー音がする」「レバーを握るのが重くなった気がする」…。その症状、もしかしたらブレーキワイヤーの交換時期を知らせるサインかもしれません。

自転車のブレーキは、安全な走行に欠かせない最も重要なパーツの一つです。しかし、ワイヤーは雨風にさらされ、使ううちに伸びたり劣化したりする消耗品。適切な時期に交換をしないと、いざという時にブレーキが効かず、大きな事故につながる危険性もあります。

そうは言っても、「交換って、お店に頼むといくらかかるんだろう?」「自分で交換するのは難しそう…」と、費用や手間の面で二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなあなたの疑問や不安を解消します。ブレーキワイヤーの交換時期を見極めるセルフチェック方法、店舗に依頼した場合の費用相場、そして自分自身で交換(DIY)する具体的な手順まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。

この記事を読み終える頃には、あなたはブレーキワイヤー交換に関する正しい知識を身につけ、ご自身の状況に最適な方法(お店に頼むか、自分で挑戦するか)を選べるようになっているはずです。さあ、一緒に安全で快適な自転車ライフへの第一歩を踏み出しましょう。

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まずはセルフチェック!ブレーキワイヤーの交換時期とサイン

ブレーキワイヤーの劣化は、ある日突然やってくるわけではありません。日々の少しの変化に気づくことが、安全を保つ上で非常に重要です。まずはあなたの自転車をチェックして、交換が必要なサインが出ていないか確認してみましょう。

ブレーキの効きが悪い・キーキー音がする

最も分かりやすいサインが、ブレーキ性能の低下です。以前と同じ力でレバーを握っても、自転車が止まるまでの距離が長くなったと感じる場合は注意が必要です。

この原因として考えられるのが、「ワイヤーの伸び」です。ブレーキワイヤーは金属でできていますが、何度も引っ張られることで徐々に伸びてしまいます。ワイヤーが伸びると、レバーを握った力がうまくブレーキ本体に伝わらず、制動力が低下してしまうのです。

また、ブレーキをかけた時に「キーキー」「シャリシャリ」といった不快な音がするのも交換のサインの一つです。この音は、いくつかの原因が考えられます。

  • ワイヤーとアウターケーブルの摩擦:ワイヤー内部の潤滑油が切れたり、ゴミや水分が侵入したりすることで、ワイヤーがスムーズに動かなくなり、摩擦音が発生します。
  • ブレーキシューの劣化:ブレーキ本体についているゴム部品(ブレーキシュー)が摩耗して硬化したり、リム(車輪の金属部分)との間に異物が挟まったりして音が出ているケースもあります。

ブレーキの効きの悪さと異音が同時に発生している場合は、ワイヤーの劣化がかなり進んでいる可能性が高いでしょう。

ワイヤーがさびている・ほつれている

次に、ブレーキワイヤーそのものを目で見て確認してみましょう。特に屋外で自転車を保管している方は、念入りなチェックが必要です。

チェックするポイントは2つです。

  1. インナーワイヤーの状態:ブレーキレバーからブレーキ本体につながっている、細い金属製のワイヤーです。このワイヤーに赤茶色のさびが発生していたり、数本の素線が切れて「ほつれ」が生じていたりする場合、交換は必須です。さびはワイヤーの動きを鈍らせるだけでなく、強度を著しく低下させます。ほつれは断裂寸前の危険な兆候であり、走行中に突然ワイヤーが切れるリスクが非常に高まります。
  2. アウターケーブルの状態:インナーワイヤーを覆っている、色のついた太いチューブがアウターケーブルです。ここにひび割れや亀裂が入っていると、そこから雨水やホコリが侵入し、内部のインナーワイヤーをさびさせてしまいます。アウターケーブルの傷みも、インナーワイヤーの劣化を早める原因となるため、見つけたら早めの交換をおすすめします。

ワイヤーのほつれは、指で触ると怪我をする恐れがあるため、必ず目で見て確認するようにしてください。

ブレーキレバーが重い・戻りが悪い

ブレーキレバーを握った時の感触も、重要なチェックポイントです。

「以前よりもレバーを握るのに力が必要になった」「レバーを離しても、スパッと元の位置に戻らず、じわっとした動きをする」

このような症状がある場合、ワイヤー内部でトラブルが起きている可能性が高いです。原因は、ワイヤーのさびや潤滑不足によって、アウターケーブルとの摩擦抵抗が増大していることです。

この状態を放置すると、レバーの操作性が悪いだけでなく、ブレーキが完全に戻りきらずに、常に軽くブレーキがかかった状態(引きずり)になってしまうことがあります。ブレーキの引きずりは、走行が重くなるだけでなく、ブレーキシューやリムの異常な摩耗にもつながります。

レバーを握って、離す。この一連の動作がスムーズに行えるかどうかは、快適なだけでなく、安全なブレーキングの基本です。少しでも違和感を覚えたら、ワイヤー交換を検討するタイミングと言えるでしょう。

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自転車のブレーキワイヤー交換にかかる費用はいくら?

ブレーキワイヤーの交換が必要だとわかった次に気になるのが、やはり「費用」ではないでしょうか。ここでは、お店に依頼した場合の料金相場から、自分で交換する場合の部品代、そして少しでも費用を抑えるためのコツまで、詳しく解説します。

【店舗別】料金相場を比較(自転車専門店・ホームセンター)

ブレーキワイヤーの交換は、街の自転車専門店や、自転車売り場のある大手ホームセンターなどで依頼することができます。店舗の種類や地域によって料金に差がありますが、おおよその相場は以下の通りです。

店舗の種類 交換箇所 工賃の目安 部品代込みの目安 特徴
自転車専門店 片輪(前輪 or 後輪) 1,500円~3,000円 2,500円~4,500円 専門知識が豊富で、スポーツバイクなど特殊な車種にも対応可能。作業が丁寧で安心感が高い。
両輪(前後) 2,500円~5,000円 4,000円~7,000円
ホームセンター 片輪(前輪 or 後輪) 1,000円~2,000円 1,500円~3,000円 比較的リーズナブルな価格設定。ママチャリなどの一般的な自転車がメイン。店舗によっては作業に時間がかかる場合がある。
両輪(前後) 1,800円~3,500円 2,500円~4,500円

上記の表はあくまで目安です。後輪は前輪に比べて構造が複雑な場合が多く(特に内装変速機付きのママチャリなど)、工賃が若干高めに設定されていることがあります。また、ワイヤーの種類(ステンレス製など)や、アウターケーブルも同時に交換するかどうかで部品代が変動します。

正確な料金を知りたい場合は、実際に自転車を持ち込んで見積もりを出してもらうのが最も確実です。電話で問い合わせる際は、自転車の種類(ママチャリ、クロスバイクなど)、交換したい箇所(前輪、後輪、両輪)を伝えると、より正確な概算料金を教えてもらいやすいでしょう。

部品代(ワイヤー・アウターケーブル)の内訳

ブレーキワイヤー交換にかかる費用は、「工賃」と「部品代」で構成されています。自分で交換する場合、必要になるのはもちろん「部品代」です。どのような部品が必要で、それぞれいくらくらいするのか見ていきましょう。

  • インナーワイヤー(ブレーキワイヤー):ブレーキレバーとブレーキ本体をつなぐ金属のワイヤーです。
    • スチール製:安価で、ママチャリなどに標準装備されていることが多いです。価格は1本あたり200円~500円程度。さびやすいのがデメリットです。
    • ステンレス製:スチール製に比べて高価ですが、さびにくく耐久性が高いのが特徴です。価格は1本あたり500円~1,000円程度。長期間良好なコンディションを保ちたければ、ステンレス製がおすすめです。
  • アウターケーブル(アウターケーシング):インナーワイヤーを保護するチューブ状の部品です。
    • 価格は1メートルあたり300円~800円程度。自転車1台分(前後)で、おおよそ2メートル前後必要になります。様々なカラーバリエーションがあり、自転車のドレスアップとして楽しむこともできます。
  • 小物部品
    • ワイヤーエンドキャップ:インナーワイヤーの切断面がほつれないように、先端にかぶせる小さなキャップです。1個あたり20円~100円程度。
    • アウターキャップ:アウターケーブルの末端に取り付けるキャップで、フレームとの接触部分を保護したり、水の侵入を防いだりする役割があります。1個あたり50円~150円程度。

これらの部品をすべて揃えても、1台分で1,000円~3,000円程度が部品代の目安となります。お店に依頼する場合の料金と比較すると、工賃がいかに大きな割合を占めているかが分かります。

工賃を安く抑えるコツはある?

「やっぱりプロに任せたいけど、少しでも費用は抑えたい」という方のために、工賃を安くするいくつかのコツをご紹介します。

  1. 複数の修理をまとめて依頼する

    もしブレーキワイヤー以外にも、タイヤ交換やチェーンの調整など、他に気になる箇所があれば、まとめて修理を依頼することで、総額の工賃が割安になる場合があります。お店側としても一度に作業できるため、個別に依頼するよりも効率が良いからです。

  2. 部品持ち込みは事前に確認を

    ネット通販などで安く部品を手に入れ、「取り付けだけお願いしたい」と考える方もいるかもしれません。しかし、部品の持ち込みに対応してくれるかどうかは、店舗の方針によって大きく異なります。持ち込みOKの場合でも、通常よりも工賃を高く設定している(持ち込み工賃)ことがほとんどです。また、持ち込んだ部品が自転車に適合しなかったり、品質に問題があったりした場合の保証は受けられません。トラブルを避けるためにも、部品を持ち込みたい場合は必ず事前に店舗へ確認しましょう。

  3. チェーン店やホームセンターのセールを狙う

    全国展開している大手自転車チェーン店やホームセンターでは、定期的にセールやキャンペーンを実施していることがあります。修理工賃の割引や、特定の商品購入で工賃が無料になるといった内容が含まれている場合もあるため、チラシやウェブサイトをこまめにチェックしてみるのも一つの手です。

ただし、最も大切なのは料金の安さだけでなく、信頼できるお店に依頼することです。安易に価格だけで選ばず、作業の品質やアフターフォローなども含めて総合的に判断することをおすすめします。

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自分で交換(DIY)は可能?メリット・デメリット

費用を抑えたいと考えたとき、真っ先に思い浮かぶのが「自分で交換する(DIY)」という選択肢でしょう。ここでは、DIYでブレーキワイヤーを交換するメリットとデメリットを詳しく掘り下げていきます。

費用を安く抑えられるのが最大のメリット

DIYの最大の魅力は、なんといっても費用の安さです。前述の通り、お店に両輪の交換を依頼した場合、安くても4,000円前後、高いと7,000円以上かかることもあります。

一方、自分で交換する場合にかかる費用は部品代のみ。インナーワイヤーとアウターケーブル、小物部品をすべて揃えても、1,000円~3,000円程度で済みます。つまり、お店に頼むのに比べて数千円単位の節約が可能になるのです。

浮いた費用で、少しグレードの高いさびにくいステンレス製のワイヤーを選んだり、好きな色のアウターケーブルで自転車をカスタマイズしたりすることもできます。この経済的なメリットは、DIYに挑戦する大きな動機となるでしょう。

意外と簡単?交換作業の難易度

「でも、自転車の整備なんてやったことないし、難しそう…」と感じるかもしれません。しかし、ブレーキワイヤーの交換は、自転車整備の中では比較的難易度が低い作業とされています。

基本的な作業の流れは、「古いワイヤーを外して、新しいワイヤーを同じように取り付けて、最後に調整する」というシンプルなものです。特に、前輪のブレーキは構造が単純なものが多く、初めての方でも挑戦しやすいでしょう。

もちろん、後輪、特に変速機や泥除けなどが複雑に絡み合うママチャリの場合は、少し手間が増えます。しかし、焦らず一つ一つの手順を丁寧に行えば、決して不可能な作業ではありません。

最近では、インターネットで検索すれば、写真付きで解説されたブログ記事や、作業工程を収めた動画コンテンツが簡単に見つかります。そういった情報を参考にしながら作業を進められるため、初心者でも安心して取り組める環境が整っています。工具さえ揃っていれば、作業時間は片輪で30分~1時間程度が目安です。

失敗のリスクと注意点

DIYには大きなメリットがある一方で、無視できないデメリット、すなわち「失敗のリスク」も存在します。ブレーキは命を守るための最重要保安部品です。作業の失敗は、重大な事故に直結する可能性があることを、絶対に忘れてはいけません。

DIYにおける主なリスクと注意点は以下の通りです。

  • 調整不足によるブレーキの不作動:ワイヤーの張りが緩すぎると、レバーを握ってもブレーキが全く効かない状態になります。逆に張りすぎると、ブレーキが戻らず常に効きっぱなしの状態(引きずり)になり、非常に危険です。
  • 部品の取り付けミス:ワイヤーを固定するネジの締め付けが甘いと、走行中の振動やブレーキをかけた際の力でワイヤーがすっぽ抜けてしまう恐れがあります。また、ワイヤーの取り回しルートを間違えると、ハンドルを切った時にワイヤーが突っ張ってしまい、予期せぬ挙動を引き起こす原因にもなります。
  • 部品の選定ミス:自転車の種類に合わないワイヤー(タイコの形状違いなど)を購入してしまうと、そもそも取り付けることができません。
  • 作業中の怪我や部品の破損:慣れない作業で無理な力をかけた結果、工具で手を滑らせて怪我をしたり、自転車の部品を破損させてしまったりするリスクもあります。

もし、作業の途中で分からなくなったり、交換後にブレーキの効きに少しでも不安を感じたりした場合は、ためらわずに自転車専門店に持ち込み、点検・修理を依頼してください。「たぶん大丈夫だろう」という安易な判断が、取り返しのつかない事態を招くことがあります。

DIYに挑戦するかどうかは、これらのリスクを十分に理解した上で、自己責任で判断することが何よりも重要です。

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初心者向け!ブレーキワイヤーの交換手順を解説

ここでは、いよいよブレーキワイヤーを自分で交換するための具体的な手順を解説します。今回は、多くの自転車で採用されている「キャリパーブレーキ(前輪)」と「バンドブレーキ(後輪のママチャリ)」を例に進めていきます。作業を始める前に、必ず新しいワイヤーと必要な工具を準備しておきましょう。

【前輪・後輪】ワイヤーの外し方

まずは古いワイヤーを取り外す作業です。新しいワイヤーを取り付ける際のガイドにもなるので、元々どのようにワイヤーが通っていたかをよく観察し、スマートフォンなどで写真を撮っておくと安心です。

前輪(キャリパーブレーキ)の外し方

  1. ワイヤー固定ボルトを緩める:ブレーキ本体にある、インナーワイヤーを固定しているボルト(ワイヤー固定ボルト)を、六角レンチやスパナを使って緩めます。完全に外す必要はなく、ワイヤーが引き抜ける程度に緩めればOKです。
  2. ワイヤーをブレーキ本体から引き抜く:ボルトが緩んだら、インナーワイヤーの先端をブレーキ本体から引き抜きます。
  3. アウターケーブルを外す:フレームに固定されているアウターケーブルを、受け金具から外していきます。
  4. ブレーキレバーからワイヤーを外す:ブレーキレバーを強く握ると、ワイヤーの根元にある「タイコ」と呼ばれる金属の塊が見えます。レバーにはタイコを通すための溝(スリット)があるので、その溝に合わせてワイヤーを引き抜けば、レバーからワイヤーが外れます。これでワイヤー一式の取り外しは完了です。

後輪(ママチャリ・バンドブレーキ)の外し方

後輪は少し複雑になりますが、手順は基本的に前輪と同じです。

  1. ワイヤー固定ボルトを緩める:後輪ブレーキ本体(ドラム部分)にある、ワイヤーを固定しているボルトをスパナなどで緩めます。
  2. ワイヤーをブレーキ本体から引き抜く:ワイヤーを固定している金具から、ワイヤーを引き抜きます。
  3. アウターケーブルを外す:フレームに沿って固定されているアウターケーブルを、順番に受け金具から外していきます。泥除けの裏などを通っている場合もあるので、ルートをよく覚えておきましょう。
  4. ブレーキレバーからワイヤーを外す:前輪と同様に、ブレーキレバーを握ってタイコが見える状態にし、スリットからワイヤーを引き抜いて外します。

新しいワイヤーの取り付け方

古いワイヤーを外したら、いよいよ新しいワイヤーを取り付けていきます。外した時と逆の手順で進めていきましょう。

  1. ワイヤーに注油する(推奨):新品のワイヤーにはある程度グリスが塗布されていますが、よりスムーズな動きを長持ちさせるために、インナーワイヤーに薄くグリスを塗っておくことをおすすめします。特にアウターケーブルに挿入する部分に塗布すると効果的です。
  2. ブレーキレバーにワイヤーを取り付ける:新しいワイヤーのタイコを、ブレーキレバーのタイコが入っていた穴にセットします。ワイヤーをスリットに通して、しっかりと固定します。
  3. アウターケーブルを取り付ける:古いアウターケーブルと同じ長さに、新しいアウターケーブルをワイヤーカッターで切断します。切断面はヤスリで整え、アウターキャップを取り付けます。その後、インナーワイヤーをアウターケーブルに通し、フレームの受け金具に沿って取り付けていきます。この時、ハンドルの動きを妨げないように、ワイヤーの取り回しに余裕を持たせることが重要です。
  4. ワイヤーをブレーキ本体に通す:アウターケーブルの末端をブレーキ本体の受け金具にセットし、インナーワイヤーをワイヤー固定ボルトに通します。
  5. 仮止めする:ワイヤーを適度に引っ張りながら、ワイヤー固定ボルトを軽く締めて仮止めします。この時点では、まだ強く締める必要はありません。

交換後のブレーキ調整(張り調整)が重要

ワイヤーの取り付けが完了したら、最後にして最も重要な「ブレーキ調整」を行います。この調整作業の出来栄えが、ブレーキ性能を左右します。

  1. 初期伸びを取る:新しいワイヤーは、使い始めにわずかに伸びる「初期伸び」という現象が発生します。これを見越して、ブレーキレバーを10~20回ほど、強く握ったり離したりを繰り返します。これにより、ワイヤーの初期伸びがある程度解消され、各部品がなじみます。
  2. ワイヤーの張りを調整する:
    • ブレーキ本体のアームを手でリム(またはドラム)に押し付け、ブレーキシューがリムに軽く当たる状態にします。
    • その状態を保ったまま、インナーワイヤーをペンチなどで軽く引っ張ります。
    • ワイヤーのたるみがなくなったら、ワイヤー固定ボルトを本締めして、しっかりと固定します。
  3. 握りしろの微調整:ブレーキレバーを握ってみて、効き具合を確認します。
    • レバーを握った時にフカフカして、グリップにレバーが当たってしまう場合:ワイヤーの張りが緩すぎます。ブレーキレバーの根元にある「アジャスターボルト」を反時計回りに回すか、再度ワイヤー固定ボルトを緩めてワイヤーを張り直します。
    • レバーが固く、少し握っただけですぐにブレーキがかかってしまう場合:ワイヤーの張りが強すぎます。アジャスターボルトを時計回りに回して張りを緩めます。
    • 理想的な握りしろは、レバーを半分くらい握ったところで、しっかりとブレーキが効き始める状態です。
  4. 最終確認とワイヤーカット:
    • タイヤを浮かせて空転させ、ブレーキが引きずっていないか(常に軽くかかった状態になっていないか)を確認します。
    • ブレーキレバーの戻りがスムーズかを確認します。
    • 問題がなければ、余ったインナーワイヤーを、固定ボルトから3~5cm程度の長さを残してワイヤーカッターで切断します。
    • 切断したワイヤーの先端がほつれないように、ワイヤーエンドキャップを取り付けて、ペンチでしっかりと圧着します。

以上で交換作業は完了です。交換後、実際に少し走行してみて、ブレーキの効き具合を再度確認することを忘れないでください。

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自分で交換する前に!必要な工具と部品を揃えよう

DIYでブレーキワイヤーを交換するには、事前の準備が成功の鍵を握ります。ここでは、作業をスムーズに進めるために最低限必要な工具と、自分の自転車に合った部品の選び方、そしてそれらの購入先について解説します。

最低限必要な工具リスト(ペンチ・ニッパーなど)

高価な専用工具は必ずしも必要ありませんが、作業の効率と安全性を高めるために、以下の工具は揃えておくことを強くおすすめします。

  • ワイヤーカッター:ブレーキワイヤー(インナー、アウター共)を切断するための専用工具です。一般的なニッパーでも切れないことはありませんが、切断面が潰れてしまい、その後の作業が非常にやりにくくなります。ワイヤーカッターを使えば、スパッと綺麗に切断できるため、仕上がりが格段に良くなります。価格は1,500円~3,000円程度です。
  • 六角レンチセット(アーレンキー):ブレーキレバーやブレーキ本体の固定ボルトなど、自転車の各所で使われています。2mmから8mm程度までがセットになっているものを一つ持っておくと、他のメンテナンスにも使えて非常に便利です。価格は500円~1,500円程度。
  • スパナまたはモンキーレンチ:ワイヤーを固定するナットなどを締めたり緩めたりするのに使います。8mm、10mm、12mmあたりがよく使われます。サイズ調整が可能なモンキーレンチが一つあると便利です。価格は1,000円前後。
  • ペンチ(ラジオペンチ):ワイヤーを引っ張ったり、エンドキャップを圧着したりする際に使用します。先端が細いラジオペンチがあると、細かい作業がしやすくなります。
  • プラスドライバー・マイナスドライバー:自転車の種類によっては、グリップの固定や付属品の取り外しに必要になる場合があります。

【あると便利なもの】

  • グリス:ワイヤーの潤滑やネジ類の固着防止に使用します。チューブタイプで500円程度から購入できます。
  • パーツクリーナー:古いグリスや汚れを落とすのに便利です。

ブレーキワイヤーの種類と選び方(ロードバイク・ママチャリ)

ブレーキワイヤーは、どれでも同じというわけではありません。自分の自転車に適合するものを選ぶ必要があります。

① タイコの形状を確認する

最も重要なのが、ブレーキレバーに引っ掛ける部分「タイコ」の形状です。主に2種類あります。

  • マウンテンバイク(MTB)用タイコ(樽型):円筒形で、主にママチャリ、シティサイクル、クロスバイク、マウンテンバイクなどに使用されています。一般的に「タイコ」といえばこちらを指すことが多いです。
  • ロードバイク用タイコ(キノコ型):小さく、キノコのような形状をしています。主にロードバイクや一部のクロスバイクのドロップハンドル用レバー(STIレバーなど)に使用されます。

自分の自転車のブレーキレバーを握って、どちらの形状のタイコが使われているかを必ず確認してください。間違ったものを購入すると取り付けることができません。

② ワイヤーの材質を選ぶ

インナーワイヤーの材質は、主にスチールとステンレスの2種類です。

  • スチール:安価ですが、さびやすいです。屋根のない場所に自転車を保管している場合は、劣化が早まる可能性があります。
  • ステンレス:スチールに比べて高価ですが、さびに強く耐久性も高いです。潤滑性が長持ちし、スムーズなブレーキ操作感を維持できます。特別な理由がなければ、ステンレス製を選ぶことをおすすめします。

③ アウターケーブルを選ぶ

アウターケーブルは、古いものと同じ長さに切って使います。自転車1台分(前後)であれば、2メートル程度の長さのものを購入すれば十分足ります。様々なカラーが販売されているので、車体の色に合わせてコーディネートを楽しむのも良いでしょう。

部品はどこで買う?(100均・ネット通販)

ブレーキワイヤーや関連部品は、様々な場所で購入できます。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った購入先を選びましょう。

購入先 メリット デメリット こんな人におすすめ
自転車専門店 ・適合する部品を確実に選んでもらえる
・品質が高いプロ仕様の部品も手に入る
・交換方法についてアドバイスをもらえることがある
・価格は比較的高め
・店舗まで行く必要がある
・どの部品を買えばいいか分からない初心者
・品質にこだわりたい人
ホームセンター ・比較的安価で入手可能
・工具類も一緒に揃えられる
・店舗数が多くアクセスしやすい
・品揃えはママチャリ用が中心
・スポーツバイク用の特殊な部品は少ない
・ママチャリの部品を探している人
・工具も同時に購入したい人
ネット通販 ・価格が安いことが多い
・種類やカラーが豊富
・店舗に行く手間が省ける
・実物を確認できない
・適合する部品を自分で判断する必要がある
・商品到着までに時間がかかる
・欲しい部品が明確に決まっている人
・少しでも安く購入したい人
・カラーカスタムなどを楽しみたい人
100円ショップ ・圧倒的に価格が安い ・品質や耐久性に不安が残る
・品揃えが非常に限られている
・アウターケーブルは置いていないことが多い
・応急処置として一時的に使用する場合
・品質よりも価格を最優先する人

ブレーキは安全に関わる重要な部品です。特に100円ショップの製品を使用する場合は、品質が十分であるか自己責任で判断する必要があります。不安な方は、自転車専門店や信頼できるメーカーの製品を扱うネット通販で購入することをおすすめします。

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まとめ:費用と手間を比べて自分に合う方法を選ぼう

自転車のブレーキワイヤー交換について、交換のサインから費用、そして自分で交換する手順まで詳しく解説してきました。

ここで、改めて「お店に依頼する」方法と「自分で交換(DIY)する」方法のメリット・デメリットを整理してみましょう。

【お店に依頼する場合】

  • メリット:プロによる確実で安全な作業。手間がかからず、特殊な工具も不要。
  • デメリット:工賃がかかるため、費用が高くなる。

【自分で交換(DIY)する場合】

  • メリット:費用を部品代のみに抑えられる。自転車の構造を理解でき、愛着が湧く。
  • デメリット:失敗のリスクがあり、すべて自己責任。工具を揃える初期投資と作業の手間がかかる。

もしあなたが「とにかく安全第一で、手間をかけたくない」「作業に自信がなく、失敗が怖い」と感じるなら、迷わず自転車専門店に依頼することをおすすめします。数千円の工賃は、プロに作業してもらう「安心料」と考えれば、決して高いものではありません。

一方で、「費用をできるだけ節約したい」「自分の手で自転車をメンテナンスする楽しさを味わいたい」「工具を揃えて、これからの自転車ライフに活かしたい」という方は、この記事を参考にDIYに挑戦してみる価値は十分にあります。

大切なのは、ご自身のスキルや知識、そしてかけられる時間と手間を考慮して、最適な方法を選ぶことです。どちらの方法を選んだとしても、劣化したブレーキワイヤーを交換することは、あなたの安全を守るために不可欠なメンテナンスです。

この記事が、あなたが安全で快適な自転車ライフを送るための一助となれば幸いです。ブレーキの調子を万全にして、これからもサイクリングを楽しんでください。

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【この記事を書いた人】
サイクリスト大谷

国家資格「自転車技士」を持つサイクリスト。

自身の多くの失敗経験を元に、メンテナンスやロングライドのコツを分かりやすく解説しています。

※記事の執筆には一部AIを利用しております。AIの回答には間違いが含まれている場合があり、必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。誤情報による記事の修正依頼はお問い合わせページよりお願いします。
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