自転車に乗っていると、突然「後輪から擦れる音がする」と気になり始めた経験はありませんか？
走行中にシューシュー、キーキー、カラカラといった音がすると、故障の前兆ではないかと不安になるものです。
しかし、一口に擦れる音と言っても原因はさまざまで、放置すれば事故につながる危険性もあります。
音の種類によっては簡単な調整で直せるケースもあれば、専門店での修理が必要になるケースも存在します。
この記事では、自転車の後輪から擦れる音がする代表的な原因を音の種類ごとに詳しく解説していきます。
さらに、自分で確認できるチェックポイントや、修理・予防のためのメンテナンス方法も紹介します。
少しでも早く異音の原因を見つけ、安全で快適なサイクリングを楽しむための参考にしてください。
これから詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
【記事のポイント】
- 自転車の後輪から擦れる音がする原因
- 異音の種類ごとの対処法と修理方法
- 異音を防ぐための定期メンテナンス方法
自転車の後輪から擦れる音がする原因
後輪からブレーキの擦れる音が発生する原因
自転車の後輪からブレーキが擦れる音が発生する場合、複数の原因が考えられます。適切に対処しなければ、ブレーキ性能の低下や重大な事故につながる可能性もあります。
まず、もっとも一般的な原因は「ブレーキシューの位置ズレ」です。後輪のリムブレーキでは、ゴム製のブレーキシューがホイールの側面に接触することで減速します。このブレーキシューが正しい位置からズレると、常にホイールと軽く擦れた状態になり、シューシューといった擦れる音が発生します。特に自転車を倒してしまったり、段差に強くぶつけたりした後に発生しやすい現象です。
次に、ブレーキワイヤーの張り具合にも注意が必要です。ワイヤーが過剰に張られていると、ブレーキシューが常にホイールに接触し続け、擦れる音の原因になります。逆に緩すぎると今度はブレーキの効きが悪化するため、適切なテンションに調整することが重要です。
さらに、ブレーキ本体の歪みも考えられます。長期間使用するうちに金属パーツがわずかに曲がり、左右のバランスが崩れてしまうと、片方のシューだけがホイールに常時触れて音が鳴ることがあります。ブレーキアームのセンター出しが必要になる場合もあります。
その他、以下のような要因も考えられます。
・ホイール自体の振れ（ゆがみ）によって断続的にシューが当たる
・ホイールに汚れや異物（泥・砂利など）が付着している
・ブレーキシューの摩耗や劣化による表面硬化
このように、原因は一つではなく複数が絡んでいる場合も少なくありません。自分で対処が難しいと感じたら、無理に調整せず専門の自転車店に相談するのが安全です。
後輪から「キーキー」と異音がする要因
自転車の後輪からキーキーと高音の異音が出る場合、ブレーキ周りに原因があるケースがほとんどです。放置すると安全性に影響するため、早めの確認が重要です。
最も多い要因は「ブレーキシューの汚れや摩耗」です。ブレーキシューに小さな石粒や砂、金属片などの異物が埋まり込むと、ブレーキをかけた際に高音のキーキー音が発生します。また、長期間使用して摩耗が進んだブレーキシューは表面が硬化し、ホイールとの摩擦で甲高い音が出やすくなります。
一方で「ブレーキシューの角度不良」も大きな原因です。ブレーキシューはタイヤを挟み込む位置だけでなく、わずかな角度調整が必要です。適切な角度になっていないと、ホイールとの摩擦が局所的に集中し、キーキー音が生じることがあります。この角度は専門的には「トーイン調整」と呼ばれており、初心者にはやや難易度が高い作業です。
また、リムの表面状態も影響します。リムが汚れていたり、油膜が付着しているとブレーキが滑って鳴きやすくなります。特に雨天後は汚れが溜まりやすくなるため、定期的な清掃が重要です。
さらに、以下のような原因も挙げられます。
・リム自体が歪んでいる
・ブレーキワイヤーの動作がスムーズでない
・ブレーキ本体の固定ボルトの緩み
キーキー音が続く場合は、部品の交換や専門店でのメンテナンスも検討しましょう。異音の放置は事故リスクを高めるため、安全のために慎重な対応が必要です。
後輪から「キュルキュル」と異音が鳴る場合の確認点
後輪からキュルキュルという音が鳴る場合、これは必ずしもブレーキだけが原因とは限りません。回転部分全般の摩耗や潤滑不足が疑われます。
まず疑うべきは「ハブのグリス切れや摩耗」です。後輪の中心にはハブと呼ばれる回転部品があり、内部のベアリングで車輪がスムーズに回る仕組みになっています。グリスが切れて潤滑不足になると、摩擦音としてキュルキュルと鳴ることがあります。特に長期間メンテナンスをしていない自転車に多く見られる現象です。
次に「チェーンやギアの潤滑不足」も確認しましょう。チェーンやスプロケットが乾いた状態で使われ続けると、ペダルを漕ぐたびに金属同士が擦れ合い、キュルキュル音を発する場合があります。この場合はチェーンオイルの注油と清掃を行うことで改善が見込めます。
さらに「リアディレイラー（変速機）の調整不良」も原因になることがあります。変速ワイヤーのテンションがずれていると、ギアの歯先とチェーンが微妙に干渉し、回転するたびにキュルキュルと音を立てる場合があります。
また、以下のような原因も考えられます。
・ブレーキシューとリムがわずかに接触している
・スカートガードや泥除けがタイヤと擦れている
・ホイールの振れによる断続的な接触
このように、キュルキュル音の原因は幅広く存在します。自力で原因が特定できない場合や、異音が長く続く場合は、専門の整備士による点検を受けるのが最も安全で確実です。
後輪から「ギシギシ」と異音が続く時の注意点
自転車の後輪からギシギシと軋むような音が続く場合、無理に走行を続けることは避けるべきです。ギシギシ音はパーツの摩耗や緩み、潤滑不足などのサインであり、放置すると重大なトラブルに発展することがあります。
最初に確認したいのは「ペダル周辺の緩み」です。クランクやペダルの取り付け部分が緩んでいると、ペダルを踏み込むたびに軋む音が出る場合があります。特に体重がかかったときだけ音が出るのが特徴です。このような場合は、ペダルやクランクのボルトを適切に締め直すことで改善できます。
次に「サドルやシートポストの緩み」も見逃せません。座ると発生するギシギシ音は、サドルの固定が不十分であるケースが多いです。シートポストのグリス切れも音の原因となるため、定期的な注油が有効です。
さらに「ハブベアリングの摩耗」も疑うべきポイントです。後輪の中心部であるハブ内部のベアリングが劣化していると、走行中に異音が出ます。ギシギシ音が続く場合はベアリングの調整や交換が必要になることもあります。
他にも注意すべき原因は以下の通りです。
・リアキャリアや荷台の取り付け部が緩んでいる
・フレーム自体のゆがみや小さな亀裂
・チェーンの摩耗や潤滑不足による金属摩擦音
特にフレームの亀裂は安全に直結する深刻な問題です。異常が疑われる場合は自分で判断せず、専門店で点検を受けるのが安心です。
このように、ギシギシ音はさまざまな場所から発生します。音の発生源を的確に突き止め、適切に対処することが安全な自転車利用には欠かせません。
後輪から「ブーン」と異音が出るときに考えられる原因
自転車の後輪からブーンという低めの異音が発生する場合、回転部品の不具合が原因になっているケースが多く見られます。この音は摩擦や抵抗が発生している証拠でもあります。
まず考えられるのは「ハブのベアリング不良」です。後輪のハブ内部には複数のベアリングが使われていますが、これが摩耗したりグリスが切れたりすると、回転するたびにブーンと唸るような音が出ます。特に長距離を走行している自転車や古い自転車ではよくある現象です。
次に「タイヤとフレームの接触」も確認が必要です。ホイールがわずかに振れていたり、タイヤが片側に偏って取り付けられていると、フレームや泥除けと接触し、低くこすれるようなブーン音を発します。この場合、車輪の取り付け位置を微調整することで改善できます。
さらに「タイヤの空気圧不足」も見落とせません。空気が不足していると、タイヤがたわんで路面との摩擦が増し、独特の低音が出ることがあります。最低でも月に1回は空気圧のチェックを行うことが推奨されます。
また、以下のような要因もブーン音の原因になります。
・タイヤ表面の偏摩耗や異物の挟み込み
・リアディレイラーの位置ズレによるチェーン干渉
・ホイールスポークのテンション不良
ブーン音は比較的軽視されがちですが、走行性能の低下や重大な部品故障に発展する前兆であることもあります。原因が特定できない場合や、自力での調整が難しいと感じたときは、専門店で点検・整備を受けることが安全な選択です。
自転車の後輪から擦れる音がするときの対処法
後輪から「カラカラ」と異音が出るときの対処法
自転車の後輪からカラカラという音がする場合、部品の緩みや接触が原因であることが多いです。軽い異音と感じて放置する方もいますが、早めに対処することが重要です。
まず確認すべきは「スポークの緩み」です。後輪のスポークは走行中の振動や衝撃で少しずつ緩むことがあります。緩んだスポーク同士が接触して走行時にカラカラ音を発するのです。この場合、スポークレンチを使って適切に張り直せば音が解消されます。ただし、スポークのテンション調整は難易度が高く、誤るとホイールの歪みにつながるため、自信がなければ自転車店に依頼しましょう。
次に確認したいのが「リアディレイラーやチェーンガードの接触」です。変速機のケージ部分やチェーンガードがわずかに曲がっていると、チェーンの動きに合わせてカラカラと音が鳴ることがあります。変速時に音が変化する場合は、この可能性が高いです。ケージを元の位置に戻すことで改善が期待できます。
また、「反射板やライトの取り付け不良」も原因になります。ホイールに付けられた反射板が緩んでスポークに軽く当たることでカラカラ音が出ることがあります。ライトの配線が長すぎてホイールに触れているケースもありますので、取り付け状態を見直しましょう。
他にも以下のような原因が考えられます。
・泥除けや荷台のステーがホイールに接触している
・ホイールに付着した異物（小石・ビニール片など）
・チェーンのたるみや摩耗による弛み音
このように、カラカラ音は目視確認だけで発見できるケースも多いため、まずは落ち着いて異常箇所を探してみましょう。対処が難しいと感じた場合は、無理に分解せず専門店での調整を検討することをおすすめします。
「カタカタ」と異音が出る原因と確認方法
自転車の異音の中でもカタカタという音は比較的よくある現象です。主に部品の緩みやガタつきが原因となりやすく、放置すると重大な故障へと発展する場合もあります。
最初に確認すべきは「ホイールナットやクイックレバーの締め付け具合」です。後輪がきちんとフレームに固定されていないと、走行中に車輪がわずかに動いてカタカタと音がします。特に段差を越えるたびに音が出る場合はこの可能性が高くなります。ホイール固定は必ず適切な力で締め直しましょう。
次に「ハブのガタつき」も注意が必要です。ハブ内部のベアリングが摩耗して隙間が生じると、後輪がわずかに左右に揺れ動き、カタカタ音を生じさせます。車輪を浮かせて横方向に揺すってみるとガタつきの有無を簡単に確認できます。ガタつきがある場合はハブの分解整備が必要になります。
さらに「キャリアや泥除けの取り付け不良」も原因となります。これらの付属パーツが緩んで振動に合わせて揺れると、後輪周辺でカタカタと音が出ることがあります。ネジの緩みを確認し、必要に応じて締め直してください。
他にも以下の原因が考えられます。
・サドルやシートポストの固定不良
・チェーンのたるみや異物の絡み
・反射板やライトのブラケットの揺れ
カタカタ音は緩みが原因であることが多いため、まずは「触って揺れる部分がないか」を丁寧に確認するのがポイントです。見つけた異常はその都度締め直し、安心して走行できる状態に整えましょう。
一定のリズムで異音がする原因と対策
自転車を走行していると、一定のリズムで繰り返し異音が鳴ることがあります。このような周期的な異音は、車輪の回転に合わせて発生するケースが多く、早期の原因特定が重要です。
まず疑いたいのは「ホイールの振れ（ゆがみ）」です。ホイールがわずかに変形していると、回転するたびにブレーキシューやフレームと擦れて異音が出ます。特にシューシューやシュッという音とともに、タイヤが左右にぶれて見える場合はこの可能性が高くなります。振れ取り作業によって修正できますが、専門的な工具が必要なためプロの整備士に依頼するのが一般的です。
次に「タイヤ表面の異物付着」も考えられます。釘や小石などがタイヤに刺さった状態で走行すると、毎回同じ位置で接地するたびに異音が発生します。定期的にタイヤの表面を点検し、異物が刺さっていないか確認しましょう。
また「チェーンの劣化やスプロケットの摩耗」も一定の周期で音を出す原因になります。チェーンの伸びやギアの摩耗によって歯先とチェーンの噛み合わせが悪くなり、ペダルを漕ぐたびにカチッ、ガチャといった音が出ることがあります。チェーンオイルの注油やパーツ交換によって改善が可能です。
その他に以下の要因も挙げられます。
・スポークの破損やテンション不良
・反射板やライトが定位置で当たっている
・ホイールベアリングの摩耗
このように、一定のリズムで発生する異音は車輪の回転部品を重点的に確認するのが基本となります。放置すると部品の破損につながる可能性があるため、早めの点検と適切な整備を心がけましょう。
シューシュー音がする場合の修理ポイント
自転車の走行中に「シューシュー」と擦れるような音が出る場合、その原因はさまざまな部位に潜んでいます。放置すると部品の劣化を早めたり、最悪の場合は走行中のトラブルにつながることもあるため、早めの確認と修理が大切です。
まず最も確認すべきは「ブレーキシューとリムの接触」です。ブレーキシューが正しい位置から少しズレていると、ブレーキをかけていない状態でもホイールに軽く当たり続け、シューシューと擦れる音を発します。特に段差に乗り上げた後や転倒した際にこのズレが起こりやすくなります。ブレーキシューの位置は、車輪の回転面に平行に接するように微調整するのが基本です。
次に「ホイールの振れ」も見逃せない要因です。ホイールが僅かに歪んでいると、回転するたびにブレーキシューやフレームの一部に触れて異音が出る場合があります。振れ取り作業は専門の工具と技術が必要になるため、自信がなければ自転車店での修正を依頼しましょう。
さらに「タイヤと泥除けの接触」もシューシュー音の原因になります。泥除けのステーが曲がっていると、走行中のタイヤ表面と軽く擦れて音が発生します。この場合はステーを慎重に手で曲げ戻し、十分なクリアランスを確保することで改善できます。
また、以下の要因も確認が必要です。
・ブレーキワイヤーの張りすぎによる常時接触
・リムやブレーキシューに付着した砂利や汚れ
・ホイールの中心軸（ハブ）のわずかなずれ
このように、シューシュー音の原因は多岐にわたりますが、多くは軽微なズレや緩みが発端となっています。問題の箇所を正確に突き止め、無理をせず丁寧に修理することが安全な走行に直結します。
異音を予防するための定期メンテナンスのポイント
自転車の異音は放置すると大きなトラブルにつながる可能性があります。しかし、日頃から定期的なメンテナンスを行うことで、こうした異音の発生を未然に防ぐことができます。
まず実践したいのが「タイヤとホイールの点検」です。ホイールの振れがないか、スポークが緩んでいないかを定期的に確認します。簡単な方法としては、車輪を手で回しながら横から見て、左右にブレていないかをチェックします。大きな振れがあれば専門店での修理が必要になります。
次に「チェーンの清掃と注油」も重要です。チェーンは雨や泥、埃などで汚れやすく、放置すると摩耗や異音の原因になります。定期的にウエスで汚れを拭き取り、専用のチェーンオイルを適切に塗布することで、滑らかな動きを保てます。オイルは必要以上に付けすぎず、余分は拭き取ることがポイントです。
さらに「ブレーキシューの摩耗確認」も忘れてはなりません。ブレーキシューが摩耗していると、ブレーキ性能が低下するだけでなく、リムとの擦れで異音が発生することがあります。摩耗ラインを参考に、必要に応じて早めの交換を心がけましょう。
他にも実施したいメンテナンスとしては以下のものがあります。
・タイヤの空気圧チェック（1ヶ月に1回程度）
・サドルやハンドルの固定ボルトの緩み確認
・泥除け、荷台、ライトの取付状態の点検
・ペダルやクランクの軸周りの異常確認
異音を予防するメンテナンスは、決して難しい作業ばかりではありません。日常的に少しずつ確認する習慣をつければ、故障の早期発見にもつながります。そして、異常が見つかった場合は、無理に自分で分解せず専門店に相談することも安全対策の一つです。
まとめ：自転車の後輪から擦れる音がする原因と解消法
自転車の後輪から擦れる音がする場合、その原因は実にさまざまです。音の種類ごとに異なる不具合が潜んでいるため、丁寧な確認が欠かせません。
例えば、シューシュー音はブレーキシューの位置ズレやホイールの振れが主な原因となります。キーキー音はブレーキシューの汚れや角度不良によって発生しやすく、トーイン調整が必要なケースもあります。
キュルキュル音やギシギシ音は、ハブやチェーン、ペダル周辺の潤滑不足や摩耗が疑われます。ブーン音はハブベアリングの摩耗やタイヤの空気圧不足など回転部分の抵抗が関係する場合が多いです。
また、カラカラ音やカタカタ音はスポークの緩み、リアディレイラーの接触、荷台や泥除けの取り付け不良など、緩みや振動によるものが多く見られます。
このように、後輪からの異音は場所や状態によってさまざまな原因があるため、日頃から定期的な点検・メンテナンスを心がけることがトラブル予防につながります。異常を感じた場合は、無理な修理を避けて専門店に相談するのも安全な選択です。