自転車に乗っていると、つい横断歩道がない場所で道路を渡ってしまった経験はありませんか?
実は、自転車は法律上「軽車両」に分類されるため、歩行者とは違ったルールが適用されます。
違反になってしまうケースもあれば、状況によってはセーフの場合もあります。
この記事では、横断歩道じゃないところを渡る自転車の基本ルールや、事故に巻き込まれるリスク、守るべき注意点についてわかりやすく解説していきます。
知らずに行動してしまうと、思わぬトラブルに発展しかねません。
正しい知識を身につけて、安全に自転車ライフを楽しみましょう。

僕もルールを知らずに渡ってヒヤッとしたことがあります。
正しい知識を知れば安心して走れますよ!
【記事のポイント】
- 横断歩道じゃない場所を渡る自転車の法律上のルール
- 事故が起きた場合の自転車と車の過失割合
- 安全に道路を横断するための具体的な方法
横断歩道じゃないところを渡る自転車の基本ルール
横断歩道じゃないところを渡る自転車は違法?
自転車が横断歩道ではない場所で道路を渡ることは、必ずしも違法とは限りません。
しかし、注意すべき法律上のルールが存在します。
道路交通法第12条では、歩行者が道路を横断する際、近くに横断歩道がある場合は、原則としてその横断歩道を利用しなければならないと定められています。
自転車は「軽車両」として扱われるため、原則としてこの規定に直接は適用されませんが、自転車に乗ったままでは車両としてのルールに従う必要があるのです。
そのため、もし自転車から降りて押している場合には「歩行者」として扱われ、歩行者と同じルールに従うことになります。
一方、自転車に乗ったまま横断歩道のない場所を渡る場合には、「横断の方法」が問題となり、不適切な渡り方をすると違反になる可能性があります。
具体的には、車両等の直前や直後を横切ったり、周囲の交通に重大な影響を与えたりした場合、道路交通法第25条の2に違反する恐れがあるため、違法と判断されるケースもあります。
また、交差点付近では「交差点またはその直近で横断中の歩行者を妨げてはいけない」という決まりがあるため、自転車も例外ではありません。
ポイントを整理すると、次のとおりです。
-
自転車に乗ったままの横断は「車両」としてのルールに従う
-
押して渡れば「歩行者」として扱われる
-
車両の直前直後を横切ると違法になる可能性がある
-
周囲の交通の妨げにならないよう十分に注意が必要
このように、自転車で横断歩道のない場所を渡る場合は、状況によって違法にもなり得るため、細心の注意を払って行動することが求められます。
横断歩道じゃないところを渡る自転車と事故のリスク
横断歩道がない場所で自転車が道路を渡ると、事故に遭うリスクが高まることは否定できません。
特に、車のドライバーにとって予測しづらいタイミングで横断を始める自転車は、重大な交通事故を招く要因となります。
このリスクが高まる理由の一つに、車両側に「徐行義務」や「一時停止義務」が発生しない点が挙げられます。
通常、横断歩道で歩行者や自転車が渡ろうとしている場合、車両はその通行を妨げないように停止する義務を負いますが、横断歩道がない場所ではこの義務が生じません。
また、自転車の運転者側にもリスク要因が存在します。
例えば、以下のようなケースです。
-
車両の直前直後を無理に渡る
-
夜間や夕暮れ時など視認性が低い時間帯に渡る
-
スピードを落とさずに一気に横断する
これらはいずれも事故の危険を高める行動です。
自転車が車道を無理に横断すると、車との接触事故が発生する確率が大幅に上がります。
さらに、事故が発生した際には、自転車側にも30%程度の過失が認められるのが一般的です。
このため、保険金の支払いにおいても不利な立場に立たされる可能性があります。
事故のリスクを少しでも減らすためには、
-
横断歩道または自転車横断帯を探して渡る
-
見通しの良い場所で横断する
-
車の動きをよく確認して無理な横断を避ける
こういった基本行動を徹底することが重要です。
自転車が車道を横切るときの注意点
自転車が車道を横切るときには、特に慎重な行動が求められます。
一歩間違えると、重大な交通事故につながりかねないからです。
まず、自転車は「軽車両」として扱われるため、基本的には車両と同じ交通ルールを守らなければなりません。
車道を横切る際には、以下のような点に注意する必要があります。
-
直前直後の車両を避ける
-
周囲の安全を十分に確認してから渡る
-
一気に横断せず、必要に応じて一時停止する
-
夜間はライトを点灯して存在をアピールする
-
スマートフォンやイヤホンを使用しながらの横断を避ける
これらのポイントを守ることで、事故のリスクを最小限に抑えることができます。
いくら気をつけていても、道路環境や車の速度によっては危険な状況に陥ることがあります。
特に、片側2車線以上の道路を渡る場合、車の死角に入りやすくなるため、注意が必要です。
もし車道を横切らなければならない状況になった場合、最も安全なのは自転車を降りて押して渡る方法です。
歩行者として扱われれば、車両の直前直後での横断も禁止されていますが、車側にとっても存在が認識しやすくなり、双方の安全が確保されやすくなります。
このように、自転車が車道を横切る際は、ただ単に渡るだけでなく、「安全確保」の意識を常に持って行動することが何よりも大切です。
横断歩道のない交差点で自転車は優先される?
横断歩道が設置されていない交差点で、自転車が優先されるかどうかは、状況によって異なります。
まず知っておくべきなのは、道路交通法第三十八条の二において、交差点またはその直近で道路を横断している歩行者がいた場合、車両はその歩行者の通行を妨げてはならないと規定されていることです。
この規定は、あくまでも「歩行者」に対するものであり、自転車に直接適用されるものではありません。
自転車は「軽車両」に分類されているため、基本的には車両と同じルールで道路を利用する義務があります。
つまり、横断中であっても、歩行者のように無条件で優先されるわけではないのです。
ただし、次のような場合には特別な扱いを受けることがあります。
-
自転車から降りて押して横断しているとき(歩行者扱い)
-
交通の流れを妨げない形で安全に横断しているとき
-
車側が十分な減速義務を負っているとき
これらの場合、自転車が「歩行者に準じる存在」とみなされるため、結果として優先されるケースもあります。
一方で、自転車が交差点に急に飛び出したり、直前直後を無理に横断しようとした場合には、自転車側に大きな過失が認められる可能性が高いです。
このとき、車両は必ずしも一時停止の義務を負わないため、事故が起きた場合の過失割合も不利になりがちです。
このため、自転車が横断歩道のない交差点を渡る際には、
-
車両の動きをよく確認する
-
無理なタイミングで渡らない
-
夜間や視界不良時は特に注意する
といった点に細心の注意を払う必要があります。
いくら道路交通法があるとはいえ、現実には車両のほうが圧倒的に大きな危険を伴うため、自転車側の慎重な行動が何よりも求められるのです。
自転車で交差点以外を右折するルール
自転車で交差点以外の場所を右折する場合にも、厳格なルールが設けられています。
まず、自転車は「軽車両」として、基本的には車両と同様の交通ルールに従わなければなりません。
このため、交差点以外であっても右折する際は、以下の基本動作を守る必要があります。
-
あらかじめ道路の左端に寄る
-
徐行しながら右折先の安全を確かめる
-
車両の直前直後を避ける
-
必要に応じて一時停止する
この中でも特に重要なのは、道路の左端に寄ったまま進行し、右折する際も一旦停止や安全確認を徹底することです。
いわゆる「二段階右折」と呼ばれる方法は、交差点内での動きが基本ですが、交差点以外の場所でも安全確保の観点から似た行動が推奨されます。
直接的に道路の中央付近に出て右折をする行為は、非常に危険だからです。
さらに、車両の流れが速い幹線道路や片側複数車線の道路では、交差点以外の右折自体が禁止されている場合もあります。
このため、標識や道路標示にも細かく注意を払う必要があります。
実際に安全に右折を行うためには、次のような工夫が役立ちます。
-
車の流れが途切れるまで無理に右折をしない
-
左側で一旦停車し、安全確認後に素早く横断する
-
交通量の多い道路では、できる限り交差点を利用する
交差点以外での右折は、自動車運転者も予想しにくい行動となるため、事故リスクが高まります。
これを理解したうえで、慎重に行動することが自分自身の命を守るために欠かせません。
横断歩道じゃないところを渡る自転車が守るべき法律
自転車が歩道を通行禁止になったのはいつから?
自転車が歩道を自由に走れなくなったのは、道路交通法が改正された昭和45年(1970年)からです。
このとき、自転車の位置付けが明確に「軽車両」と定められ、自動車などと同じように基本は車道を通行することが原則となりました。
もともと、自転車は歩行者と同じ扱いを受けていたわけではありません。
しかし、昭和40年代以前は交通量も少なく、自転車が歩道を走っていても大きな問題にはならないことが多かったのです。
ところが、自動車の普及に伴い交通事故が急増し、自転車の危険な走行も社会問題になりました。
これを受け、道路交通法の改正によって、自転車は車両として車道通行が基本であることが明文化されました。
ただし、いくつかの例外も設けられています。
-
「普通自転車」に限り、標識がある場合は歩道通行が認められる
-
児童、高齢者、身体の不自由な人は、特例的に歩道を通行できる
-
車道の交通状況が著しく危険な場合は、歩道通行を許可されることもある
このように、完全に一律で禁止されたわけではなく、一定の条件下では今でも歩道を利用することが可能です。
それでも、歩道通行が許される場合でも徐行義務が課せられ、歩行者を最優先しなければならないルールになっています。
歩道を走れるからといってスピードを出したり、歩行者を危険にさらす走行は当然ながら禁止です。
現代においても、自転車の歩道通行ルールを知らないまま運転している人は少なくありません。
事故防止のためにも、改めて「自転車は原則車道」と理解し、安全運転を心がけることが求められています。
横断歩道じゃないところで渡る自転車と過失割合
横断歩道ではない場所で自転車が道路を渡る場合、万が一事故が起きたときの過失割合は、一般的に自転車30%、車両70%が基本とされています。
これは、自転車が歩行者と同じく弱者であることを考慮しつつも、軽車両としての責任を一定程度認めるバランスをとった結果です。
しかし、ここから過失割合は様々な要素によって変動します。
例えば、
-
自転車が周囲の安全を確認せず急に飛び出した場合
-
車両がスピード違反や脇見運転をしていた場合
-
夜間でお互いの視認性が悪かった場合
このような状況次第で、過失の割合が自転車側に大きくなったり、逆に車両側に重く課されたりします。
また、自転車が「隣接する横断歩道や自転車横断帯を無視して渡った場合」には、自転車側の過失がさらに大きく認定されることも珍しくありません。
道路交通法第63条の6では、自転車は自転車横断帯がある場所では、その横断帯を使って渡らなければならないと定められているためです。
いくら基本の過失割合が30:70とされていても、行動次第では自転車が50%以上の過失を負うこともあります。
安全に道路を渡るためには、
-
横断歩道または自転車横断帯を必ず利用する
-
車両の直前直後を横切らない
-
夜間はライトを点灯し、目立つ服装を心がける
といった注意を怠らないことが重要です。
過失割合の問題は、最終的に保険金の支払いや損害賠償額に直結します。
事故を防ぐ意識を持つことが、自分自身を守る最大の対策となります。
車道を横切る自転車に車はどう対応すべき?
車道を横切ろうとする自転車を見かけた場合、車の運転者には慎重な対応が求められます。
まず、道路交通法第38条では、横断歩道または自転車横断帯の前では歩行者や自転車の通行を妨げない義務が定められています。
この規定により、横断帯付近では自転車の動きを注意深く見守り、必要に応じて減速または一時停止する必要があります。
一方、横断歩道も自転車横断帯もない場所で自転車が渡ろうとしている場合には、車両側に直ちに一時停止義務は発生しません。
しかし、安全運転義務(道路交通法第70条)に基づき、危険を予見できる場合は減速するなどの注意を払う義務は変わりません。
具体的な対応策としては、
-
自転車が道路の端にいる場合は、いつでも横断を始める可能性を考えて徐行する
-
自転車が渡り始めた場合には、安全を確保しつつできる限り速度を落とす
-
直前直後で飛び出してきたときは、急ハンドルや急ブレーキによる二次事故を防ぐため、冷静に対処する
-
夜間や視界不良時は、特に早めの減速を心がける
こうした行動が、事故の発生を未然に防ぐために重要です。
さらに、最近では電動自転車や子供乗せ自転車など、通常よりスピードが速いタイプの自転車も増えています。
これにより、渡るスピードや動きの予測が難しくなっているため、以前にも増して慎重な運転が求められます。
たとえ自転車側に一定の過失があったとしても、事故を起こしてしまった場合には、車の運転者に重い社会的責任が問われることも少なくありません。
だからこそ、車道上で自転車を見かけたら、最大限の注意を払って走行することが欠かせないのです。
交差点以外で右折する自転車の正しい方法
交差点以外で自転車が右折する場面では、慎重な運転が強く求められます。
なぜなら、ドライバーも自転車の右折を予測しにくく、事故のリスクが高まるからです。
まず基本として、自転車は軽車両に分類されるため、車両と同様の交通ルールに従う必要があります。
つまり、交差点以外であっても適切な右折方法を守らなければなりません。
正しい右折の手順は以下の通りです。
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できる限り道路の左端を通行する
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右折したい地点の手前で減速し、安全確認を行う
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周囲の交通を確認してから、横断する
-
一気に渡ろうとせず、必要に応じて途中で停止する
-
可能ならば一度降車し、押して横断する
特に大切なのは「無理に右折しない」という意識です。
交通量が多い道路や見通しが悪い場所では、一度停止して車両が途切れるのを待つ方が安全です。
また、夜間や夕暮れ時はライトを点灯し、後続車から自分の存在を認識してもらうことが不可欠です。
反射材のついたベストやタスキを着用するのも有効な手段と言えるでしょう。
このように、交差点以外で右折する際は通常以上に慎重な行動が求められます。
急な動きや無理な進行は禁物であり、自分の身を守るためにも冷静な判断と行動が不可欠です。
歩道通行が禁止される普通自転車の条件
普通自転車であっても、歩道通行が禁止されるケースは存在します。
誤解されがちですが、「普通自転車ならどこでも歩道を走れる」というわけではありません。
まず大前提として、普通自転車とは、道路交通法に基づく内閣府令で規定された基準に適合する自転車を指します。
この普通自転車が歩道を通行できるのは、特別に標識などで認められた場合に限られます。
歩道通行が禁止される条件は次のとおりです。
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「歩道通行可」の標識や標示がない歩道
-
普通自転車ではない大型の自転車や側車付き自転車
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他の車両をけん引している自転車
-
速いスピードで歩道を走行し、徐行義務を守れない場合
この中でも特に注意すべきなのは「徐行義務」です。
歩道を通行する場合は、直ちに停止できる速度(おおむね時速8〜10km以下)で進行しなければなりません。
これを怠ると、たとえ普通自転車でも歩道通行が認められず、道路交通法違反となる可能性があります。
また、歩道上では歩行者が最優先されます。
歩行者の通行を妨げる恐れがある場合には、たとえ「普通自転車通行可」の歩道であっても、一時停止する義務があるのです。
さらに、歩道上に「自転車通行帯」が設けられている場合でも、歩行者優先の原則は変わりません。
自転車利用者は、自身の立場をよく理解し、安全な通行に努める必要があります。
いずれにしても、普通自転車といえども、歩道通行はあくまで「例外的に認められた行為」であることを忘れてはなりません。
横断歩道じゃないところを渡る自転車が守るべきポイントまとめ
横断歩道じゃないところを渡る自転車には、軽車両として守るべき交通ルールが数多く存在します。
まず、自転車に乗ったまま道路を横断する場合、歩行者と違って車両扱いとなるため、車両の流れに十分配慮しなければなりません。
もし自転車から降りて押して渡れば歩行者とみなされ、歩行者用のルールに従うことになります。
横断歩道のない場所で無理に渡ると、事故リスクが非常に高まります。
特に、車両側に徐行義務や一時停止義務がない場面では、慎重な行動が求められます。
また、事故が発生した場合、自転車にも一定の過失割合が認められるため、横断場所の選択や渡り方には注意が必要です。
安全に渡るためには、
- 横断歩道や自転車横断帯を利用する
- 車両の直前直後を避ける
- 夜間はライトを点灯する
- 必要に応じて自転車から降りて押す
といった基本動作を徹底することが大切です。
ルールを正しく理解し、自分の身を守る行動を心がけましょう。

僕も横断歩道じゃない場所を渡ってヒヤッとしたことがあります。
必ず安全確認をしてくださいね!
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