自転車のチェーンが後輪の内側に外れてしまい、どう直せばよいかわからず困っていませんか？
走行中に突然チェーンが外れると、焦ってしまったり、無理に直そうとしてさらに状態を悪化させてしまうこともあります。特に後輪の内側にチェーンが落ち込んでしまった場合は、見た目以上に複雑で、自分で対応するのが難しく感じるかもしれません。
本記事では、チェーンが後輪内側に外れる原因の見極め方から応急処置の方法、自分で直す手順、さらには再発を防ぐための予防策までを丁寧に解説しています。
必要な道具や作業時の注意点も具体的に紹介しているので、初めての方でも安心して対応できます。
「もう一度、安全に走り出したい」そんな方は、ぜひ最後までご覧ください。チェーン外れの不安を解消するヒントがきっと見つかります。
【記事のポイント】
- チェーンが後輪内側に外れる原因
- チェーンを自分で直す具体的な手順
- 応急処置や再発防止ポイント
自転車のチェーンの直し方｜後輪内側に外れた時の対処法
チェーンが後ろに外れたときの原因
自転車のチェーンが後輪側で外れる場合、いくつかの原因が考えられます。特に「変速機付き自転車」や「長年使用しているママチャリ」では、チェーンが後ろから外れるケースが少なくありません。
まず注目すべきは、チェーン自体の「たるみ」や「摩耗」です。チェーンは金属製ですが、長期間使用すると内部のピンやリンクが摩耗し、全体的に伸びてしまいます。この状態になると、チェーンがスプロケット（歯車）からずれやすくなり、結果的に後輪側で外れることがあります。
また、後輪の位置がずれている場合も注意が必要です。車輪を固定しているナットが緩んでいると、タイヤが左右にぶれてチェーンの張り具合が不安定になります。これが原因でチェーンが外れることもあります。
その他にも以下のような要因があります。
- 変速機の調整不良
- スプロケットやチェーンリングの摩耗
- チェーンとスプロケットのサイズが合っていない
- チェーンが錆びて滑らかに動かない
- 急激な変速操作や踏み込みによる負荷
このような問題があると、チェーンがギアにうまく噛み合わず、ペダルを踏んだときや停止状態から急に動き出したときにチェーンが外れやすくなります。
特にリア側のチェーン外れはフレームの内側に食い込んでしまうこともあり、非常に厄介です。放置するとチェーンやギア、さらにはフレームにまでダメージを与える可能性があるため、早めに点検や調整を行いましょう。
チェーンが外れたときの応急処置の方法
自転車に乗っていると突然チェーンが外れてしまうことがあります。出先で起こった場合、自転車屋にすぐ行けないことも多いでしょう。そんなときには、応急処置として自分で直す手順を知っておくと安心です。
応急処置として行うべき作業は、基本的に以下の通りです。
- まずは自転車を安定した場所に立てる
- 軍手やティッシュなどを使い、手を汚さずに対応できるよう準備する
- チェーンが外れている位置を確認する（前か後ろか、内側か外側か）
- チェーンを元のギアに戻すように手でかけ直す
- ペダルを逆方向にゆっくり回してチェーンの噛み合わせを確認する
チェーンが前のギアから外れている場合は、チェーンをギアにかけてからペダルを後ろに回すことで比較的簡単に戻ります。
一方で後輪側で外れた場合や、内側に落ち込んでいる場合は少し厄介です。このときは、変速機の位置を一番大きなギア（リアの外側）にしてからチェーンをかけ直し、慎重にペダルを回して様子を見るとよいでしょう。
注意点として、以下のことを守ると安全に作業できます。
- 無理にチェーンを引っ張らない（変形や破損の原因になります）
- ペダルを強く回さない（チェーンが噛み合わず外れることがあります）
- 作業中は手や指をギアに挟まないよう注意する
また、応急処置はあくまで「一時的な対応」に過ぎません。走行後は必ず自転車屋で点検・修理してもらうことが大切です。
チェーンが内側に挟まったときの対処法
チェーンが後輪のギアとフレームの間など「内側」に挟まってしまうと、自分ではどうしても取り出しにくくなることがあります。この状態を放置すると、チェーンだけでなくスプロケットやフレームにまで損傷が広がる可能性があるため、早めの対応が重要です。
対処法としては、以下のような手順で対応できます。
- 自転車を逆さにして作業しやすい状態にする
- 後輪のナットをスパナで緩める（15mmが一般的）
- タイヤを少し前に引き、チェーンのテンションを緩める
- チェーンが挟まっている部分を手で押し出すようにして取り除く
- チェーンを元の位置に戻し、後輪のナットを再度締める
この作業では、ある程度の工具（スパナや軍手）が必要になります。チェーンカバーがある場合は、その取り外しも必要になる場合があります。
挟まったチェーンを無理に引き出そうとすると、チェーンが変形したり、ギアの歯が折れてしまうことがあります。そのため、力任せではなく、チェーンのテンションを一時的に緩めてから丁寧に作業することが大切です。
このようなトラブルが頻繁に起こる場合、次のような予防策を検討しましょう。
- チェーンの張り具合を定期的に点検・調整する
- ギアやスプロケットの摩耗が進んでいないか確認する
- チェーンオイルを定期的に注油して錆を防ぐ
- チェーンの交換時期を見逃さない
特にママチャリや内装変速機のある車種では、自分での修理が難しいこともあります。その場合は無理をせず、自転車店に依頼するのが安全です。
チェーンが外れたときに自分で直す手順
自転車のチェーンが外れたときでも、慌てずに正しい手順で対応すれば自分で直すことができます。特にチェーンが前側、もしくは後ろ側のどちらかに外れただけであれば、必要な道具も少なく比較的短時間で対応が可能です。
まずは安全を確保しましょう。交通量の多い場所や坂道の途中ではなく、なるべく平坦で安全な場所に自転車を移動させることが重要です。
次に以下の準備を行ってください。
- 軍手や使い捨て手袋を装着して手の汚れを防ぐ
- ギアやチェーンの位置を確認する
- 必要に応じてスパナ（15mm）やドライバーを準備する
準備ができたら、以下の手順で作業を進めます。
- チェーンが外れている箇所を確認する（前側、後ろ側、内側など）
- チェーンを正しいギア位置に手で戻す
- ペダルを手で逆回転させて、チェーンの噛み合わせを確認する
- スムーズに動くかをチェックしたうえで軽く走行テストを行う
外れたチェーンを戻す際には、無理に引っ張ったりねじったりしないよう注意してください。力を加えすぎると、チェーンやギアに余計な負荷がかかり、破損の原因になります。
また、チェーンが繰り返し外れる場合は、一度だけの応急処置では根本的な解決になりません。以下のような不具合が隠れている可能性があります。
- チェーンのたるみや摩耗
- ギアの歯の摩耗や変形
- タイヤや車軸の位置ズレ
- 変速機の調整不良
このような症状があるときは、自転車店で点検や部品の交換を依頼するのが安全です。自分で修理をするにしても、最低限の知識と工具を備えておくと安心して対応できます。
特に変速機付きの自転車やフルカバーのチェーンケースがある車種では、構造が複雑なため、無理をせずプロに任せる選択肢も考慮しましょう。
チェーンが前後両方外れたときの対処法
チェーンが前後両方から外れる状況はあまり頻繁には起こりませんが、段差での衝撃や強い負荷、あるいはチェーンの劣化が進んでいる場合には十分に起こり得ます。このようなケースでは、通常のチェーン外れよりも慎重に対応する必要があります。
チェーンが前後両方で外れていると、チェーンが自転車の構造内でたるみ切っていたり、フレームに挟まっていたりすることがあり、単純に戻すだけでは済まないこともあります。
作業に入る前に確認すべきことは以下の通りです。
- チェーンのどの部分がどのギアから外れているかを把握する
- チェーンにねじれや変形がないかをチェックする
- タイヤの固定が緩んでいないか確認する
このように状態を確認したら、次のような手順で対応します。
- 自転車を逆さにするか、スタンドを立てて作業しやすい状態にする
- チェーンのたるみをとるため、後輪のナットを軽く緩めておく
- チェーンを前側のギア（フロントギア）に軽く掛ける
- 次に後側のギア（リアギア）にチェーンを掛けて調整する
- ペダルを手で回しながらチェーンが噛み合うのを確認する
- 最後に後輪のナットを締め直し、タイヤとフレームの隙間が均等になるように調整する
この作業では、前述のとおり工具が必要な場合が多く、特にスパナは必須です。また、チェーンがケースに覆われているタイプの自転車では、カバーを部分的に取り外さなければならないこともあります。
さらに注意点として、以下のようなリスクもあります。
- チェーンがねじれてしまっていると、再装着してもスムーズに動かない
- ギアの歯が欠けていると、チェーンが外れやすくなる
- チェーンのリンク部分が外れていた場合、交換が必要になる
このような状態に気づいた場合は、無理に自分で直そうとせず、自転車店に持ち込むのが無難です。
前後のチェーンが同時に外れるというのは、日常的な点検や整備が不足しているサインであることが多いため、これを機にメンテナンスの習慣を見直すことも大切です。
自転車のチェーンの直し方｜後輪内側の修理と予防法
チェーンが食い込んだときの修理代の目安
自転車のチェーンがフレームやギアに「食い込んでしまった」ときには、軽いトラブルとは異なり、ある程度の修理が必要になることがあります。この状態になると、自分での対処が難しいケースが多いため、専門の自転車店に依頼するのが現実的です。
チェーンが食い込む状況は、主に以下のようなときに発生します。
- チェーンが外れた際に、無理にペダルを回してしまった
- ギアとフレームの隙間にチェーンが落ちて強く引っかかった
- チェーンが著しくたるんでいた、または変形していた
このようなトラブルが起きた場合、チェーンの再装着だけでは済まず、部品の交換やフレームの歪み確認なども必要になることがあります。
修理代の目安は、状況によって異なりますが、以下のような費用感が一般的です。
- チェーンの張り直しのみ：500〜800円程度
- チェーンの交換を含む修理：1,500〜3,000円前後
- ギアの損傷やディレイラー調整を伴う場合：3,000〜5,000円程度
作業内容や店舗の料金体系によって価格に幅がありますが、無理に自分で直してフレームやパーツを破損してしまうよりは、最初からプロに任せる方が結果的にコストを抑えられる場合もあります。
また、複雑な構造のスポーツバイクや変速機付き自転車では、より高額になることもあるため、修理前に見積もりを確認すると安心です。
いずれにしても、チェーンが完全に食い込んでいる場合は、自己判断でペダルを回したり工具を使って無理に引き抜くことは避けてください。パーツの破損リスクが高くなります。
ママチャリのチェーンのたるみの直し方
ママチャリのチェーンがたるんでいると、ペダルを踏んだときに空転したり、チェーンが頻繁に外れたりする原因になります。このような症状は走行中の安全性にも関わるため、早めの対応が必要です。
ママチャリは変速機がないものが多く、構造が比較的シンプルなため、チェーンのたるみも自分で調整できる場合があります。ただし、作業には基本的な工具と少しのコツが必要です。
チェーンのたるみを調整するには、次の手順で作業を進めます。
- 後輪を固定しているナットをスパナ（通常は15mm）で緩める
- タイヤを後方に引いて、チェーンの張り具合を調整する
- 張りすぎない程度にテンションを保ちながら、ナットを締め直す
- ペダルを回してチェーンがスムーズに動くか確認する
- タイヤとフレームの隙間が左右均等になるようセンターを調整する
調整の際に気をつけるポイントは以下の通りです。
- チェーンの上下動が約1cm程度になるよう調整する
- 張りすぎると走行中に異音が発生する場合がある
- 緩すぎると再びチェーンが外れやすくなる
また、調整作業を行ってもすぐにたるみが再発する場合は、チェーン自体が摩耗している可能性があります。その際は、チェーン交換が必要になるかもしれません。
自分での対応が難しいと感じた場合や、道具が揃っていない場合には、無理せず自転車店に依頼することも一つの方法です。作業代は500〜1,000円程度が相場となっています。
ママチャリの後輪のチェーンが外れた時の修理方法
ママチャリでチェーンが後輪側から外れてしまった場合、正しい手順で対処すれば自分でも修理は可能です。ただし、構造によってはチェーンケースが付いていたり、内装変速機が備わっている場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
ママチャリの後輪チェーン外れに対応する際の基本手順は以下の通りです。
- 自転車を安定した場所に立て、必要であれば逆さにする
- チェーンケースがある場合は、プラスドライバーで取り外す
- 後輪のナット（15mm）をスパナで緩める
- タイヤを少し前にスライドさせ、チェーンのテンションを緩める
- チェーンをスプロケットに戻す
- タイヤを後方に引き、チェーンの張りを調整しながらナットを締め直す
- チェーンケースを戻す
この手順で対応できれば、再び安全に走行できるようになります。ただし、注意点もいくつかあります。
- チェーンを戻す際は、ギアとチェーンの歯が正確に噛み合っているか確認する
- ナットの締め忘れがないよう、左右均等にしっかりと固定する
- ペダルを軽く回し、スムーズに動くかを最終チェックする
ママチャリの構造は比較的単純とはいえ、内装変速機が付いているモデルではリアギア周辺の部品が繊細です。誤って部品を動かしてしまうと変速に不具合が出ることがあるため、そのような場合は自転車店への依頼を検討したほうが安全です。
一般的なママチャリであれば、修理費用は1,000〜1,500円前後が目安となります。工具が手元にない場合や作業に自信がない場合には、無理をせずプロに任せることがトラブル防止につながります。
ギアありチェーンの直し方
ギア付き自転車のチェーンが外れた場合、変速機構が関わっているため、ママチャリなどの変速なし自転車よりも複雑な構造になっています。そのため、対応する際には慎重な作業が必要です。誤った対応をすると、ディレイラー（変速機）やギアに負荷をかけて破損する可能性があるため注意しましょう。
まず、チェーンがどの位置で外れているかを確認します。ギア付き自転車では、以下の2つの箇所で外れるケースがよくあります。
- フロントギア（前側）から外れている場合
- リアディレイラー側（後側）から外れている場合
それぞれの直し方を分けて解説します。
フロントギアから外れたときの直し方：
- 自転車を安定した場所に置き、必要に応じて逆さにする
- チェーンが落ちた位置（内側または外側）を確認する
- 変速機を最も外側のギア（アウター側）に切り替える
- チェーンを前ギアの歯に手でかける
- ペダルを手でゆっくり逆回転させ、チェーンが噛み合うのを確認する
リアディレイラーから外れたときの直し方：
- 変速機を一番大きなギア（または一番小さなギア）に設定する
- リアディレイラーのテンションを確認し、スプロケットに合わせてチェーンを掛け直す
- ペダルをゆっくり正方向に回して、正常にチェーンが回るか確認する
ギア付き自転車では、以下のポイントにも注意が必要です。
- 無理にチェーンを引っ張ると、リアディレイラーの位置がずれてしまうことがある
- チェーンがねじれている場合は、そのまま戻さず修理・交換を検討する
- 汚れやサビが原因の場合は、洗浄と注油を行ってから再装着する
作業に不安がある場合や、変速機周辺に異常が見られる場合は、無理をせず自転車店に持ち込むことをおすすめします。変速機は繊細なパーツで構成されているため、適切な調整が求められます。
チェーンが外れたときの正しい直し方
自転車のチェーンが外れたときは、落ち着いて正しい手順で対応すれば、大きなトラブルにならずに済みます。チェーンが外れる原因にはさまざまな要因がありますが、どのケースでも最初に行うべきなのは「無理に動かさず、現状を確認すること」です。
まず安全な場所に自転車を移動し、転倒や周囲の迷惑にならない状態で作業を始めましょう。軍手やタオルなどを用意し、手が汚れないようにするのもポイントです。
チェーンが外れたときの一般的な直し方は、次の手順に沿って行います。
- チェーンが外れている位置を確認する（前ギア・後ギア・内側・外側など）
- チェーンを手で元の位置に戻す（フロントなら前ギアに、リアならスプロケットに）
- ペダルを手で逆回転させて、チェーンの噛み合わせを調整する
- ゆっくりと前進しながら異常がないか確認する
このとき注意すべきポイントとして、以下のようなことがあります。
- チェーンが緩んでいると、再び外れやすくなる
- ギアとチェーンがしっかり噛み合っているかを必ず確認する
- ペダルを強く踏み込まず、様子を見ながらゆっくり動かす
チェーンが頻繁に外れる場合、単にかけ直すだけでは解決しません。次のようなチェックも行ってみてください。
- チェーンのたるみや伸びはないか
- ギアの歯が摩耗していないか
- タイヤの取り付けにズレがないか
- 変速機の動作に異常がないか
これらの点に問題がある場合は、チェーンの交換やパーツの調整・修理が必要になることもあります。
チェーンを正しく直せば、その場で走行は再開できますが、根本的な原因が解消されていなければ再発の可能性も高まります。そのため、チェーン外れが一度でも起きた際は、できるだけ早めに自転車店で点検を受けることが安全につながります。
まとめ：自転車のチェーンの直し方｜後輪内側に外れた時の完全ガイド
自転車のチェーンが後輪の内側に外れると、見た目以上に複雑なトラブルになることがあります。特に、チェーンがギアとフレームの隙間に挟まったり、たるんでいたりする場合には、慎重な対応が求められます。
このような状況では、無理にペダルを回さず、まずは安全な場所で自転車を安定させ、チェーンの状態を確認することが基本です。
対応手順としては、チェーンの位置確認、ナットの緩め作業、チェーンのかけ直し、テンション調整などが必要になります。必要に応じてスパナなどの工具を用意しましょう。
また、以下のようなポイントを意識することが大切です。
- チェーンのたるみや摩耗を定期的にチェックする
- ギアやスプロケットの歯の状態を確認する
- チェーンの潤滑状態を維持するために注油を行う
応急処置で復旧できたとしても、根本的な原因が残っている場合は再発のリスクがあります。自信がない場合や異常が見られるときは、専門店での点検を検討しましょう。