「まさか自分が?」
自転車に乗る誰もが、そう思っているかもしれません。
しかし、自転車の交通違反で「赤切符」を交付されるケースは、決して他人事ではありません。
この記事では、自転車の交通違反で赤切符が交付されるのはどんな時か、そしてもし交付されてしまったらどうなるのか、その後の対処法までを詳しく解説します。
自転車の交通違反と「赤切符」の基礎知識
「自転車は軽車両」という認識は、残念ながらまだまだ浸透しているとは言えません。
しかし、道路交通法上、自転車は自動車やバイクと同じ「車両」の仲間。
だからこそ、交通ルールを守る義務があるのです。
赤切符とは?青切符との違いを解説
警察官に交通違反を指摘された時、「切符」を切られるという話を耳にしたことがあるでしょう。
この切符には、大きく分けて「赤切符」と「青切符」の2種類があります。
青切符は、比較的軽微な交通違反に対して交付されるもので、反則金を支払うことで刑事手続きに進まずに済む行政処分です。
自動車やバイクの駐車違反などがこれにあたります。
一方、赤切符は「告知票・免許証保管証」とも呼ばれ、刑事罰の対象となる重大な交通違反に対して交付されます。
これは、道路交通法違反などの刑事事件として扱われ、罰金刑や懲役刑に処される可能性があることを意味します。
自転車の場合、青切符の制度がないため、違反の程度によっては「いきなり赤切符」という事態が起こり得るのです。

信号無視や一時不停止はついやってしまいがちですが、これらも立派な交通違反です。私も肝に銘じています!
どんな自転車違反で赤切符が切られる?
では、具体的にどのような自転車の違反行為が赤切符の対象となるのでしょうか。
主な例を挙げます。
- 信号無視:赤信号を無視して交差点に進入する行為は、人身事故に直結する危険な違反です。
- 一時不停止:一時停止の標識がある場所で停止しない、または十分に安全確認を行わないまま進行する行為。
- 酒酔い運転:アルコールの影響で正常な運転ができない状態で自転車を運転する行為。これは非常に重い罰則が科されます。
- 無灯火運転:夜間、ライトを点灯せずに自転車を運転する行為。自身の視認性が低下し、事故を招く危険があります。
- 二人乗り・並進:都道府県の条例で定められた基準を超える二人乗りや、並進が禁止されている場所での並進も違反です。
- ブレーキの付いていない自転車の運転:ピストバイクなど、一部の競技用自転車でブレーキが装備されていないものがありますが、公道での使用は違反です。
これらはあくまで一例であり、違反の状況や危険性によっては、上記以外の違反でも赤切符の対象となる可能性があります。
悪質な違反行為の具体例
「悪質な違反」と一口に言っても、その基準は曖昧に感じるかもしれません。
しかし、以下のようなケースは、特に悪質と判断されやすい傾向にあります。
- 飲酒運転による事故:アルコールを摂取した状態で自転車を運転し、人身事故を起こした場合は、極めて悪質と判断されます。
- 集団での危険な走行:暴走行為や、歩行者や他の車両に著しい危険を及ぼす集団走行。
- 警察官の指示を無視して逃走:違反行為を指摘されたにもかかわらず、その場から逃げ出そうとする行為は、さらに悪質と見なされます。

友人とのサイクリングでつい並進してしまいがちですが、違反になる場合があることを忘れてはいけませんね!
赤切符を切られたらどうなる?その後の流れと罰則

自転車ライフナビ・イメージ
もし、あなたが自転車の違反で赤切符を交付されてしまったら、それは刑事手続きの始まりを意味します。
ここからは、その後の具体的な流れと、科される可能性のある罰則について解説します。
刑事罰の対象に?罰金や前科について
赤切符が交付された場合、あなたは被疑者として扱われます。
警察での取り調べが行われ、その後、事件は検察庁に送致されます。
検察官は、事件の内容やあなたの供述などを総合的に判断し、起訴するか不起訴にするかを決定します。
起訴された場合、刑事裁判が開かれ、有罪判決となれば罰金刑や、場合によっては懲役刑が科される可能性があります。
罰金刑が確定すると、それは前科として記録されます。
前科は、その後の社会生活に影響を及ぼす可能性も否定できません。
裁判所への出頭命令と手続き
赤切符を交付される際、多くの場合、警察署への出頭や、裁判所からの呼び出し(出頭命令)があることを告げられます。
裁判所から出頭命令があった場合は、指定された日時に必ず出頭しなければなりません。
出頭を怠ると、逮捕される可能性もあります。
裁判所では、事件の審理が行われ、検察官からの請求や、あなたの供述に基づいて判決が言い渡されます。

裁判所から通知が来たら、パニックにならず、まずは冷静に内容を確認することが大切です!
赤切符の取り消しは可能?
一度交付された赤切符を、その場で警察官に取り消してもらうことは基本的にできません。
赤切符は刑事手続きの開始を意味するため、警察官の一存で取り消せるものではないからです。
もし、違反事実がないと考えるのであれば、警察や検察の取り調べ、または裁判の場で、自身の主張をきちんと伝える必要があります。
しかし、そのためには客観的な証拠が必要となる場合がほとんどです。
赤切符を切られた際の対処法と注意点
もし赤切符を交付されてしまったら、冷静に対応することが重要です。
適切な対処をすることで、不利益を最小限に抑えられる可能性があります。
警察官の指示に従うべき?拒否できる?
警察官から職務質問を受けたり、違反を指摘されたりした場合、まずは警察官の指示に従うようにしましょう。
身分証明書の提示を求められたら提示し、質問には正直に答えることが基本です。
ただし、黙秘権は憲法で保障された権利です。
不確かなことを言ったり、自分に不利になるようなことを無理に話す必要はありません。

焦って反抗的な態度を取ると、かえって状況が悪化することもあります。まずは落ち着いて対応しましょう!
弁護士に相談すべきケースとは
以下のような場合は、速やかに弁護士に相談することを強くおすすめします。
- 違反の事実がないと確信している場合:無実を証明するためのアドバイスや弁護活動をしてもらえます。
- 罰金刑や刑事罰を避けたい場合:弁護士は、検察官や裁判官に対して、あなたの状況や反省の態度を伝え、有利な結果に導くための弁護活動を行います。
- 今後の手続きが不安な場合:弁護士は、警察での取り調べから裁判手続きまで、一連の流れをサポートし、あなたの疑問や不安を解消してくれます。
- 示談交渉が必要な事故を起こした場合:人身事故を起こしてしまった場合は、被害者との示談交渉も必要になります。
家族や職場への影響
赤切符による刑事罰が確定し、罰金刑などが科された場合、それは「前科」として残ります。
これにより、就職や転職活動において不利になる可能性や、一部の職業では資格制限を受ける可能性もゼロではありません。
また、家族に心配をかけたり、職場に知られてしまうことで人間関係に影響が出る可能性も考慮に入れる必要があります。
赤切符を避けるために!自転車利用者が知るべきこと
何よりも大切なのは、赤切符を切られるような違反をしないことです。
日頃から交通ルールを意識し、安全運転を心がけましょう。
自転車安全講習の受講メリット
自転車安全講習は、自転車の安全な乗り方や交通ルールを学ぶための講習です。
都道府県によっては、一定の危険な違反を繰り返した場合、受講が義務付けられることもあります。
しかし、義務でなくても自主的に受講することには大きなメリットがあります。
最新の交通ルールを学べるだけでなく、安全な走行技術や危険予測能力を高めることができます。
日常で気をつけたい交通ルールとマナー
- 信号は必ず守る:当たり前のことですが、急いでいる時でも赤信号は渡らない。
- 一時停止は確実に止まる:標識がなくても、見通しの悪い交差点では一時停止を意識する。
- 歩道は徐行、歩行者優先:歩道では歩行者の通行を妨げないように徐行し、あくまで車道が基本。
- 夜間はライト点灯:前照灯だけでなく、テールライトも忘れずに。反射材も活用しましょう。
- 傘さし運転・ながら運転はしない:片手運転やスマホを見ながらの運転は、バランスを崩しやすく危険です。
- 飲酒運転は絶対にしない:自転車でも飲酒運転は許されません。

私は通勤で毎日自転車に乗ります。車道を走る時も、歩道を走る時も、常に周囲の状況に気を配るようにしています!
違反をしないための具体的な対策
- 出発前の自転車点検:ブレーキは効くか、タイヤの空気圧は適切か、ライトは点灯するかなど、簡単な点検を習慣にしましょう。
- 交通ルールを定期的に確認する:道路交通法は改正されることもあります。自治体のウェブサイトなどで最新情報を確認しましょう。
- 時間に余裕を持って行動する:時間に追われていると、つい無理な運転をしてしまいがちです。
- 安全な経路を選ぶ:交通量の多い幹線道路を避け、裏道や自転車専用道などを活用するのも一つの手です。
まとめ
自転車は私たちの生活に身近な乗り物であり、便利でエコな移動手段です。
しかし、一度交通ルールを破り、赤切符を交付されてしまえば、その後の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
「知らなかった」では済まされないのが法律の世界です。
この記事を参考に、自転車の交通ルールと赤切符の重さを理解し、今日からさらに安全で快適な自転車ライフを送っていただければ幸いです。
自転車は自由な乗り物ですが、その自由は「ルールを守る」ことで初めて保障されます。
あなたの安全、そして周囲の安全のために、一人ひとりが交通ルールを意識し、模範的な自転車利用者になりましょう。
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